瀬戸内海一周旅行10:しまなみ海道で人の優しさと痛ジャージに出会う編

しまなみ海道スタート

瀬戸内海一周旅行9からの続きです。

倉敷から尾道まで強力な追い風を受けて70kmを快走し、いよいよしまなみ海道に入ります。と言っても最初の尾道からは渡し船に乗って島に行くことになります。

ちなみにしまなみ海道について少しだけ説明を。広島県の尾道から四国愛媛県の今治までにある6つの島(向島・因島・生口島・大三島・伯方島・大島)にかかる6つの橋を渡るルートで、橋は自動車だけでなく歩行者や自転車も通行できるようになっています。そのため、多くのサイクリストやレンタサイクルに乗った人などが走る人気のコースなのです。ちなみにしまなみ海道というのは愛称だそうで、西瀬戸自動車道というのが正式な名前だとか。尾道から今治までは大体70km強といったところです。

しまなみ海道サイクリングコース

さて、私はというとこのしまなみ海道については全く事前に調べることもなく来てしまいました。ロードバイクで来ている人も大勢いると聞いていたので誰かの後ろを走っていればいいだろうという安易な考えでした。しかし、渡し船に乗った時にはほかに自転車乗りは誰一人として見かけませんでした。船に乗りながら大丈夫なのだろうかと少し心配になります。

ですが、そんな心配は必要なかったようです。船に乗ると運転手のおっちゃんが話しかけてくれます。「ここからこう渡って向こうの岸に着くよ」と説明しながらちょっと待っていなさいといって船の中に行き、わざわざしまなみ海道の自転車用のコースが書いたパンフレットを取ってきてくれました。そして、向島に着くと、「自転車のコースになっている道路には白線の代わりに青線が書いているからそれを目印に走るといいよ」と丁寧に教えてくれました。

しまなみ海道の青線

普段大阪のような都会に住んでいるとこんな何気ない親切が心うたれます。自転車乗りにやさしいところなんだなと感謝しながらいよいよスタートしました。

この日の目的地は愛媛の今治にある鈍川温泉です。倉敷からはおおよそ165kmで、ここまですでに70kmほど走ってきています。つまりは残り100kmを切った状態です。しかし、時刻はまだ9時という速さ。旅館はチェックインが夕方からになるので急いで走ってしまうと時間が余りすぎてしまいます。そのため、ここからはかなりのんびりと行くことにしました。

風の向きは相変わらず東から西へとビュービュー吹いています。しまなみ海道は結構グネグネと曲がりながら進んでいくようで追い風になったり向かい風になったりを繰り返します。向かい風のときは無理することもな25km/h程度のペースで進んでいきました。

最初の向島はどうも生活感あふれる島でこの島の住人が使うであろうスーパーなどのそばを走り抜けながら進んでいきます。道に迷わないように青線を見ながら走っていたので知らなくとも走れはするのですが、交差点で青線が無くなってしまうのは少し不便ではないかと思ってしまいました。交差点が来るたびに「どっちに曲がるんだ?」ときょろきょろしながら進んでいきます。

しばらくすると町中を抜けて車の通りも少なくなりました。コンビニなどがあったところではほかに来ていたロードバイク乗りの姿も見かけます。しかし、その人たちは途中で曲がっていってしまいました。この時はどこか寄り道するのかなとしか思っていませんでした。

もうしばらく行くと海が見える道になりました。この辺りになるとほとんど車は通っていません。ボーっと海に浮かぶ島を見ながら走り続けます。すると今度は後ろから別のロードバイクに乗った人が私を追い抜いていきました。しかし、ちょうどその人と同じタイミングで交差点を突っ切ろうとしたところでそのまま真っ直ぐ言ったら青線が無くなってしまうことに気がつきます。あわてて周りを見るとどうやら右折する必要があったようです。

すると私を追い抜いた人と一緒に来ていたロードバイク乗りの人がやってきて「そっちじゃない、右だよ」と声をかけていました。私もあわてて引き返してその道へと入ります。

そして、しばらくは後ろから追いついてきた人とあいさつをして話をすることになりました。どうやら広島に住んでいる人のようです。この人から面白い話を聞きました。というのも、どうやらこの日はロードバイクのイベントが行われているというのです。なんでも結構規模の大きなイベントのようで2日間開催する1泊2日の日程でしまなみ海道を走ろうというもののようです。

あとで調べたところ第1回 グラン・ツール・せとうちのことだとわかりました。どうやらこの2人は初開催のイベントの様子を見るために来たようです。「きっとたくさんの人が走っているはずだよ」と教えてくれました。面白そうなイベントですが定員が1300人というのも驚きです。

他にも「どこまで行くんですか?」「今治まで行って泊まる予定です」「えっ?それだけ?」みたいな話もしつつしばらく一緒に走っていました。しかし、しばらくするとその人は私の前方でお連れの人と話しながら走るようになります。そこで初めてその人が痛ジャージを着ていることに気がつきました。背中に大きくイカ娘のイラストが描いてあり、よく見るとサドルバッグには秋山殿のキーホルダーもついていました。これだけ堂々と来ていると痛ジャージも似合って見えるものだなと感心してしまいました。イカ娘と瀬戸内海がマッチしているのがよかったのでしょうか?

そんなことを考えていると最初の橋である因島大橋が見えてきました。眼前に見える橋ですがそれを渡るには上の方まで登って行かなければなりません。地図で坂道になっているとは知っていましたが、どのくらいの坂なのかなと気になっていました。

橋までは車道から左折して自転車専用の小さな専用道に入り、そこを登っていくようです。思ったよりもくねくねと登らなければならないんだなと思いました。もちろんロードバイクでは問題ないレベルですがママチャリとかでは少ししんどそうな道でした。

因島大橋

登りきると目の前には重厚な作りの因島大橋が海の上に伸びています。ここにきてようやくしまなみ海道にやってきたんだなと実感しました。続きます。

目次

  1. 自転車旅行計画編
  2. 大阪~神戸編
  3. 明石~加古川~姫路編
  4. 恐怖の船坂トンネル編
  5. 備前市を越えて岡山後楽園での昼食編
  6. 一泊目目標地点のの倉敷ユースホステル到着編
  7. 倉敷の街とユースホステル編
  8. 倉敷の歴史について編
  9. 2日目の倉敷~尾道編
  10. しまなみ海道と人との出会い編
  11. しまなみ海道の本当の魅力編
  12. しまなみ海道中盤編
  13. しまなみ海道~鈍川温泉カドヤ別荘編
  14. ロードバイクにやさしい四国の旅館編
  15. 3日目の出発直後に起こったトラブル編
  16. 四国は自転車のメッカになれると感じる讃岐街道編
  17. 10kmアウターヒルクライム編
  18. 昼食・昼寝とその後の状況変化
  19. 空気の壁に激突しながら徳島到着編
  20. 徳島ユースホステルと幻の景色編
  21. 迷いに迷った南海フェリー編
  22. 和歌山港~大阪帰宅編