瀬戸内海一周旅行14:ロードバイクにやさしい四国の旅館に宿泊編

手厚い歓迎

瀬戸内海一周旅行13からの続きです。

2日目の165kmライドをこなして目的地のカドヤ別荘に3時半過ぎに到着しました。毎回のことですが自分の知らない土地の宿にきちんとたどり着けるだけでほっとします。

さて、到着してまずはロードバイクをどこに置こうかと考えます。見たところ自転車を置くのに適した場所が見当たりません。立ち止まってきょろきょろとしているとホテルの自動ドアが開き、中から男性が出てきました。

どうやら入口に停まった私の姿を見てホテルの人が出てきてくれたようです。「予定よりも速かったですね」とにこやかに話しかけてあいさつしてくれました。

するとこちらが何も言わないうちに「自転車はお預かりしますよ」と言います。どこかに置く場所があるのかと不思議に思ったら、「当ホテル内に自転車を保管する場所があるのでそこに置いておきます」というのです。わざわざロードバイクの置き場を用意していると聞いて驚いてしまいました。非常にありがたいです。

自転車が運ばれていき私は部屋へと通されることになりました。すぐに荷物を置いてあることに気がつきます。それは自転車を預けた際にサイコンとボトルを取り外すのを忘れていたのです。どちらも明日使うために洗ったり充電したりと用意しておく必要があります。そこで、自転車の保管状況の確認も合わせて見に行ってみることにしました。

このホテルはそこまで大きいわけではなく4階までなのですが、自転車は4階に置いてあるといっていました。エレベーターに乗って4階まで上がって見に行ってみます。すると4階には遊戯室があり卓球台が置いてあり、そばにソファーが設置されていてその前には本や漫画が置いています。その本棚の前になんとロードバイク用のスタンドが置いてあり、そこに私のロードバイクのサドルが引っかけられていました。

わざわざ室内保管してくれるだけではなく、スタンドが置かれていて、さらには仏式の空気入れまでがそばにありました。自転車旅行に来る前に四国のホテルを調べたときに「自転車の室内持ち込み可」というところが多く、しまなみ海道があるためロードバイクでの旅行客が多いのかなとは思っていました。しかし、このカドヤ別荘には特にそのような記述がないにもかかわらずここまで手厚く用意されていると知ってほかの土地とは違う自転車文化があるのかもしれないと思いました。

さて、サイコンとボトルを回収した後には1日走り回って汗だくになった体をリフレッシュさせるために温泉へとつかります。ここの温泉の水質は美人の湯としても有名らしくアルカリ性単純泉で体にねばっと引っ付いてくるような感じでした。軽く日焼けした皮膚にもそこまでの刺激にならずに済んだので1時間くらいは入ってり出たりを繰り返して温泉を楽しみました。

温泉でリフレッシュした後は少しホテルの人に無理を言うことにしました。というのは先ほど4階に自転車を見に行ったときにあるものが目に飛び込んできていたのです。それを使用させてもらえないかとお願いしに行くことにしました。

あるものというのは「洗濯機」です。4階の遊戯室のそばは屋上のようになっており、洗濯機が3台ありそばにシーツなどが干せるようになっていたのです。汗まみれのサイクルジャージを水道で手洗いしてもいいのですが、やはり洗濯機がつかえるとありがたい。そう思って相談してみると「お安いご用ですよ」と言って使用させてもらえることになりました。本当に助かりました。

洗濯ものを放り込んでから部屋に戻り、とりあえず翌日の走行コースのチェックなどや携帯の充電など用意を済ませます。その後洗い終わった洗濯物をとりに行って部屋の中にハンガーを使って干すと後はすることもなくなります。

せっかく旅行に来て部屋の中でテレビを見ていたのではつまらないので、ロビーに来てスタッフの人と話でもすることにしました。

ちょうどロビーには入り口で出迎えてくれた男性と女性スタッフがいたのでその二人と話をすることに。実はこの男性はこのホテルのオーナーさんだったようです。話を聞いていると実はこの結構年季が入っているように見えたホテルは去年オーナーさんが知り合いから購入してオープンしたばかりだったそうです。今年の6月でようやく1周年を迎えるということでした。その前はホテルマンとしていろいろなところに行っていたそうで、私の住む大阪でも働いていたことがあるようです。

ロードバイクの話も聞いてみると、やはり結構ロードバイクに乗ってくる人がいるようです。1日で300kmほど走ってこの辺りまで来たはいいがこの辺りでダウンしてしまってホテルに泊まりに来た人などもいたようです。また、しまなみ海道は夜になると橋のうちのいくつかがライトアップされるので見に行ってみても面白いですよと言ってくれます。が、そこまでの元気は残っていなかったためさすがに見にはいけませんでした。日によってライトアップされる橋が異なるようで注意が必要なようです。

また、しまなみ海道では自転車のイベントがよく催されていますが、広島側のイベントと愛媛側のイベントでちょっとニュアンスが違うんだよというような話もありました。参加する側にとってはあまり気にしないことですが、何かあるのかもしれません。

そのほかにも今治市にはGIANT社があるため、自転車の街ともいえるんだとかなんとか。やはり自転車の話題がこの辺りには多いのだなと話を聞きながら感じました。

さて、いろいろと話をしていたら予定していた夕食の時間になり、大広間へと移動します。入ってみるとこの時間から食事を開始するのは私だけだったようです。自転車旅行は体力勝負でたくさん食べなければ動けません。それを察してか食事を始めてすぐに中居さんが「ご飯はいくらでもありますからお変わりしてくださいね」と言ってくれます。ありがたくおひつごともらっておきました。

と言っても食べるスピードはいつもよりもゆっくりと味わって食べることにしました。おいしくいただいていると後からほかの宿泊客の人たちも広間へとやってきます。最初にやってきた老夫婦の奥さんと目があい、部屋の端から端と離れていましたが少し話をすることに。

「どこから来られたのですか?」

「大阪から自転車に乗ってやってきました」

「自転車?お遍路ですか?」

「いえ、自転車旅行で今日はしまなみ海道を通ってきたのです」

「まあ!?私にはさっぱりわかりませんが楽しいでしょうね」

そういわれると自転車旅行の何が楽しいのかは自分でもよくわからないなと思ってしまいました。どちらかというと何かの修行に近いものを感じなくもありません。

食事を堪能した後はこの日1日中走って疲れた足をリカバリーするためにホテルの外に出て歩き回ることにしました。このホテルのあるところは鈍川温泉街としていくつものホテル・旅館が並んでいます。一つひとつの旅館を入り口から覗き込んだりしていました。しかし、本当に温泉宿しかないようで少し離れたところになると街灯が一切なくなります。大阪に住んでいるとあまりわかりませんが、街灯が無いとこんなにも暗いのかと恐ろしくなります。暗闇の中からイノシシでも出てきそうな感じがしたので30分ほど温泉宿の周りをうろうろして終了。

後は部屋に戻って軽くストレッチをしてから明日に備えて眠ることにしました。明日はこの今治から徳島までの200kmが待ち受けています。大丈夫だろうかと少し不安になりながらも眠りにつきました。続きます。

目次

  1. 自転車旅行計画編
  2. 大阪~神戸編
  3. 明石~加古川~姫路編
  4. 恐怖の船坂トンネル編
  5. 備前市を越えて岡山後楽園での昼食編
  6. 一泊目目標地点のの倉敷ユースホステル到着編
  7. 倉敷の街とユースホステル編
  8. 倉敷の歴史について編
  9. 2日目の倉敷~尾道編
  10. しまなみ海道と人との出会い編
  11. しまなみ海道の本当の魅力編
  12. しまなみ海道中盤編
  13. しまなみ海道~鈍川温泉カドヤ別荘編
  14. ロードバイクにやさしい四国の旅館編
  15. 3日目の出発直後に起こったトラブル編
  16. 四国は自転車のメッカになれると感じる讃岐街道編
  17. 10kmアウターヒルクライム編
  18. 昼食・昼寝とその後の状況変化
  19. 空気の壁に激突しながら徳島到着編
  20. 徳島ユースホステルと幻の景色編
  21. 迷いに迷った南海フェリー編
  22. 和歌山港~大阪帰宅編