瀬戸内海一周旅行15:四国横断の一日はトラブルから始まった編

いざ徳島へ

瀬戸内海一周旅行14からの続きです。

愛媛県の今治にある鈍川温泉にてゆっくりと体を休められたおかげか、自転車旅行3日目においてもきちんと朝に起きることができました。目覚めもなかなか悪くなく、残り2日もなんとか乗り切れるかもしれないと思い始めてきました。

3日目になるこの日は今治からひたすら東に向かって進んで徳島市にまで行くことになります。目的地は徳島ユースホステルです。ここまでたどり着けば4日目はフェリーで和歌山にわたって大阪に帰るため知っている道を通ることができるとあり、実質的にはこの3日目が最後の関門という位置づけでした。

しかし、徳島市まではおおよそ185kmほどあります。ただでさえ長距離はしんどいのに、3日目にこの距離を走れるのだろうかという不安もある中での出発となりました。

5時半前くらいに目が醒めて、準備をしてロビーでチェックアウトを済まします。気のいいオーナーさんが見送る中、6時前にスタートしました。ゆっくり行って10時間かかってしまったとしても向こうに着くのは16時ごろになり、少し余裕を持ってのスタートとなったはずでした。

ですが、さっそくトラブルが発生します。鈍川温泉を出て道を曲がりいよいよこれからというところで、痛恨のチェーンが落ちるというトラブルが発生したのです。幸先が悪いなと思い、自転車から降りてフロントギアのインナー側に落ちたチェーンを戻そうとします。しかし、これが全く動かなくなってしまっていたのです。

これにはかなり焦りました。フレームのBBとクランクの間にチェーンが挟まってびくともしないのです。力を入れて抜こうにももしチェーンに何かあった場合自転車が動かなくなってしまいます。一瞬自転車台や仏式空気入れを置いていた親切な四国の旅館に戻って「ロードバイク用の工具はありませんか」と尋ねてみようかとも思いました。ですが、よく考えたら普段私は自分でメンテナンスを行わないため工具の扱いに関して全くの無知です。どうにかなるとも思えませんでした。

スタートしてまだ10分ほど。つまりは6時過ぎです。最悪今治市内にまで戻れたとしても自転車屋さんなどは開いていないでしょう。四国には全く知り合いがいていないため車で迎えに来てもらうということも不可能です。この時ばかりは本当に泣きそうになってしまいました。

しかし、泣いたところで問題が解決するわけでもないため、ここは覚悟を決めて力ずくでチェーンを引っこ抜くことに決めました。自転車を抑えつけてチェーンを握りしめて無理やり引っこ抜くと、ガッと挟まっていた部分から無事にチェーンが脱出し、その後ギアに引っかけても正常に動いてくれます。どうやら何とかなったようで、本当に心の底からホッとしました(実際はあとで調べるとカーボンフレームに修理しなければならないキズができていたのですが)。

さて、何とかこのまま走り続けられそうなのでそのまま当初の目的通り徳島へと向かうことにします。やはり、安全運転で慎重にロードバイクを操っていかないと旅行は成功にはならないと身をもって感じました。無理せずマイペースに行きます。

鈍川温泉を出るとまず最初に山を越えていかなければなりませんでした。結構細かいアップダウンがあり、この先の長距離走行を考えるとあまり歓迎できるものではありません。しかし、1日目・2日目と平坦基調の道や海沿いの道などばかり走ってきていたため、この山の中の木が多い茂った中を走っていくというのは非常に気持ちがいいものでした。ここまで来て、やはり自分は平坦や海よりも山の中を走るのが好きなんだなと再認識することになりました。

途中、タオル美術館などというものもありました。ここ今治ではタオル産業が発達しているようで質のいいタオルが製造されているのだそうです。わざわざそのタオルを集めて美術館にまでしているのかと感心してしまいました。どうせならばこんな山の中でなくもう少し観光客の多そうなところに作ればいいのにとも思ってしまいます。

そんなこんなでキョロキョロとあたりを見ながら山や田舎道を抜けていきます。実はこのキョロキョロしているのは景色などを見るためでもありますが、何かお店などが無いかと探す意味もありました。というのも旅館では朝食なしでそのまま出発してきていたのでまだ何も食べていなかったのです。どこかに何かお店があるだろうと高をくくっていたのですが、見事に何もありませんでした。

途中一軒だけパン屋さんを見つけて入ろうとしても「準備中」と書かれてドアが閉まっていました。そろそろお腹がグーとなり始めたころになるといつの間にやら山を越えていたようです。平坦の道が続くようになりました。

この日のルートはひたすら東に向かって進んでいく予定です。最初こそ山がありましたが、基本的には距離があるために平坦の道を通るように設定していました。そのため、この日の一番気になることと言えば「風向き」がありました。この風向きや風量如何によってはこの旅行3日目の難易度が激変することになるのです。

前日の2日目には常に東から西に向かってものすごい強風が吹いていました。どのくらいの強風かというと私の脚でも力を入れずに40km/hで巡航し続けられたくらいです。そのため、もしこれがこの日も続いていれば恐ろしいことになるだろうと恐怖していたのです。

しかし、なんと運のいいことでしょう。山から下りてきて平坦を走っていても全くつかれません。サイコンの表示を見ると力を入れず心拍数も上がっていない状態で35km/hというスピードが表示されていました。何とも幸運なことに前日とは全く逆方向に風向きが変わってくれていたようです。

颯爽と風のサポートを受けて流しているとだんだんと交通量の多い道へとぶつかっていくことになりました。そこで一軒のコンビニがあったため、そこに立ち寄って朝食と補給食を調達してくことにしました。

出発してから1時間、トラブルなどもありながらも「何とかなりそうだ」という希望が見えてきました。だんだんと気温も上昇してきてテンションも上がります。四国横断の長い1日が始まりました。続きます。

目次

  1. 自転車旅行計画編
  2. 大阪~神戸編
  3. 明石~加古川~姫路編
  4. 恐怖の船坂トンネル編
  5. 備前市を越えて岡山後楽園での昼食編
  6. 一泊目目標地点のの倉敷ユースホステル到着編
  7. 倉敷の街とユースホステル編
  8. 倉敷の歴史について編
  9. 2日目の倉敷~尾道編
  10. しまなみ海道と人との出会い編
  11. しまなみ海道の本当の魅力編
  12. しまなみ海道中盤編
  13. しまなみ海道~鈍川温泉カドヤ別荘編
  14. ロードバイクにやさしい四国の旅館編
  15. 3日目の出発直後に起こったトラブル編
  16. 四国は自転車のメッカになれると感じる讃岐街道編
  17. 10kmアウターヒルクライム編
  18. 昼食・昼寝とその後の状況変化
  19. 空気の壁に激突しながら徳島到着編
  20. 徳島ユースホステルと幻の景色編
  21. 迷いに迷った南海フェリー編
  22. 和歌山港~大阪帰宅編