瀬戸内海一周旅行16:四国は自転車のメッカになれると感じた讃岐街道編

平坦ステージ

瀬戸内海一周旅行15からの続きです。

自転車旅行3日目の四国横断編が開始され、約1時間が経過したところでコンビニに立ち寄り朝食を食べることに成功しました。ゆっくりと食べて再びスタートした頃は7時半くらいになっていました。

今回の自転車旅行はとにかく「走る」ということが目的であり、特にこのコースを走りたいという考えで設定したものではありませんでした。また、連日の長距離の走りというのは今まで経験していないだけに本当に走れるかという不安もありました。

そこで、事前に設定したコースの基本コンセプトは「道に迷わない平坦コース」ということです。距離が長い分だけどんなトラブルが起こるかわかりませんし、もし道でも間違えようものならば大変なことになります。そのため、できる限りわかりやすい大きめの道で平坦基調なところと考えていました。

しかし、この考えは1日目で誤算があったことに気がつきました。それはルートラボで表示される獲得標高はあまりあてにならなかったからです。1日目の大阪から倉敷までの200kmはルートラボではなんと獲得標高800mと表示されていたのです。本当だろうかと思いつつも信じて走るしかないと思っていたのですが、実際に走ってみると2000mという数値がサイコンで計測されて誤差の大きさに驚かされました。

過ぎたことを気にしても証がありませんが、問題になるのはこの3日目のルートです。今治を出発して徳島に着くまでに同じように獲得標高800m程度となっていました。しかし、これもあてにはならないだろうということで、平坦でもペースは一定に無理をせずに走ることを意識して進むことにしました。

コンビニを出て、少し走り11号線へと入ります。徳島へのコースは前半はこの11号線を走り、途中で192号線へと入ることにしていました。とりあえず11号線に無事に入れたことにより当面迷子になる心配はなくなります(ちなみにこの11号線は讃岐街道とも呼ぶそうです)。

あとは大きな道路のため、自動車の交通量が増える前にスムーズに走れるかという心配もありました。ですが、これは日曜日だったこともあり、そこまでトラックも走っておらず比較的ゆったりとした精神状態のまま走り続けられました。

ただ、やはりロードバイクは景色のいい山の中を走っていたほうが好きなようで、このような町中の道路を走るというのは自転車旅行としてはもったいないかなという感じがしないでもありませんでした。淡々と走っていきました。

しかし、あるところでふっと息をつき、走りながら前方から目をずらして四国の素晴らしさに気がつきました。それは今まで走ってきた平坦路のコースの右手側(南側)を見ると山がそびえたっているのです。ずーっと続く平坦の道のそばに1000~1500m級の山がずっと続いているのです。関西のコースでいえば六甲山や護摩壇山くらいの山がいくつもあるという感じでしょうか。

街を少し出ればいくつもの走りごたえのありそうな山がある。それだけでロードバイクに乗っているものとして興奮してしまいました。ふと「寄り道してあの山のどれか一つくらい登ってきてもいいんじゃないか」という衝動に駆られたほどです。しかし、そんなことをすれば徳島の宿までたどり着けなくなってしまうため、泣く泣くあきらめざるを得ませんでした。

走りながら四国に住んでいれば平坦も山もあり、交通量や信号も少ないのでロードバイクのメッカになることができるのではないかと思いました。今度は山を目的に四国に来ようと心の中で誓いました。

さて、そんなことを考えながらも脚は動かし続けて30km/h位のペースで進んでいました。すると新居浜のあたりから道路の周りの景色が少し変わり、少し勾配がついてきました。山というほどではなく丘といった感じでしょうか。この坂はどの程度続くのかというのが分からず不安ながらもアウターのまま25km/hくらいのスピードを保って走ります。これが思ったよりも脚への負担となってきて、この後の走りは大丈夫だろうかと気になりだしたころにピークを越えて下り区間に入りました。

先ほどの傾斜の半分くらいを下って後はアップダウンが続いていました。いつもならばこのようなアップダウンは脚を削ってしまうために心の中で悲鳴を上げていたかもしれません。しかし、この時は違いました。

それは下りに入ったあたりから急に風向きが変わったのです。それまではあまり風を感じない区間が続いていたのですが、ここからは追い風になりそこそこ強めの風でした。2日目の倉敷から尾道までの時のような爆風の追い風ではありませんでしたが、それでもほとんど負担なしに平坦は35km/h、アップダウンの登りもスピードを殺すことなく30km/h程度でクリアできるほどの追い風を背中に受けます。

こうなるとまるで自分がものすごく速く走れる人間であるかのような錯覚に陥り、イケイケで進んでいきました。おそらく脳内麻薬のような物質が大量に作られてハイテンションになるのでしょう。ロードバイクが楽しく感じられる瞬間でもあります。そのままの勢いでどんどんと走り続けます。

しかし、それも永遠には続きません。あるところでガクッとペースが落ちてしまいます。それまでと違い平坦30km/hペースが非常につらく感じるくらいに変わってしまいます。なぜこんなにも変わってしまったのかと不思議に思います。

しばらくはしんどいながらも走り続けましたがあることに気がつきました。それは1度目の休憩地点のコンビニから休憩をとっていなかったことです。20km地点での休憩から走り続けてこの辺りで70kmを越えるくらいまで来ていました。買っておいた補給食も背中に入れたままで食べていなかったので一度立ち止まり、歩道に移動して補給食を食べながら地図を見ることにしました。

地図を見て、ペースが落ちた原因に気がつきます。それは道路からは見えなかったのですが思った以上に海の近くを走るところにまで来ていたのです。ちょうどペースが落ちたところから考えても海からの風で風向きが変わってしまうところだったのでしょう。

ここの先の道も地図で確認するともう少しだけ11号線を走ったら、次に192号線へと入るところにまで来ていました。地図から目をあげてこの先のコースへと視線を移します。ルートとしては四国の海沿いを行くと遠回りになりすぎてしまうので、192号線を通って徳島まで直線的に行こうと考えたのですが、そうなると必然的に「山を越える」ことになってしまいます。

サイコンの数値を見るとこの時点で獲得標高は1000mを越えていました。追い風という味方を失ってこれからどのくらいの登りを越えるのだろうかとドキドキしながら再びスタートしていきました。続きます。

目次

  1. 自転車旅行計画編
  2. 大阪~神戸編
  3. 明石~加古川~姫路編
  4. 恐怖の船坂トンネル編
  5. 備前市を越えて岡山後楽園での昼食編
  6. 一泊目目標地点のの倉敷ユースホステル到着編
  7. 倉敷の街とユースホステル編
  8. 倉敷の歴史について編
  9. 2日目の倉敷~尾道編
  10. しまなみ海道と人との出会い編
  11. しまなみ海道の本当の魅力編
  12. しまなみ海道中盤編
  13. しまなみ海道~鈍川温泉カドヤ別荘編
  14. ロードバイクにやさしい四国の旅館編
  15. 3日目の出発直後に起こったトラブル編
  16. 四国は自転車のメッカになれると感じる讃岐街道編
  17. 10kmアウターヒルクライム編
  18. 昼食・昼寝とその後の状況変化
  19. 空気の壁に激突しながら徳島到着編
  20. 徳島ユースホステルと幻の景色編
  21. 迷いに迷った南海フェリー編
  22. 和歌山港~大阪帰宅編