瀬戸内海一周旅行17:全く先の分からない10kmアウターヒルクライム編

唯一の登りを越えて

瀬戸内海一周旅行16からの続きです。

四国を今治から徳島にかけてひたすら東に進む3日目。事前のルートラボの調べでは180kmを越えるルートでも獲得標高は800m程度だとなっていた平坦ルートのはずでしたが、やはり現実に走ってみると違いました。ここまでの70kmで大きな峠はないものの丘を越えたり、細かなアップダウンを越えたりですでに獲得標高は1000mを越えていました。

そうして、目の前には山が見えているという状況です。ここまでは何とか山には近づかない11号線を東に走り続けていましたが、そのまま走り続けることはできません。なぜならこのまま海に沿って走ると目的の徳島ではなく香川県に入ってしまうからです。香川にうどんでも食べに行こうかとも考えはしましたが、それをすると3日目に250kmを越えてしまうことになってしまうためできませんでした。

そこで、今回の目的のルートでは11号線から192号線に入って吉野川沿いに徳島を目指すことになります。そうなると必然的に海沿いではなく山を突っ切って川沿いを走るということになってしまうのです。ここで問題なのは吉野川まで行くのに目の前に広がる山をどう越えるのかということにありました。見た感じ、目の前に続いている192号線は山と山の間を縫って通る道路のようで、実際に走ってみると大したことはないのかもしれません。

結論から言えば私はここでの選択を誤ってしまいました。きっとすぐに山と山の間をうまいこと抜けて平坦路が続いているに違いないとかなり楽観的な判断を下した私は少し斜度の付いた道路である192号線をアウターのまま進んでいったのです。

この192号線は伊予街道とも呼ばれるらしく、道のそばには金生川という小さめの川が流れています。だんだんと進んでいくと道路のそばからは建物が減っていき、小さな村のような感じになっていきました。これまでの交通量が多い道とは違って車も少なく、けれど車道は広く取られているのでかなり気分よく走れていました。フロントギアをアウターには入れていますがシッティングに疲れてきたら休むダンシングに切り替えるというように脚をいたわりつつ登っていきます。

けれど、この登りが思ったよりも長かったのです。斜度は大したことが無くアウターでも登れたのが逆にまずかったのかもしれません。自分の中の予想では短時間で目の前が開けれ平坦路になるのだろうと勝手に思っていましたが、なんとこの登り区間が10kmほども続いてしまいました。時間でいえば30分ほどでクリアしたことになるのでしょうが、問題はここが全く知らない土地であり、まだ残りの距離と次の日の走りもあるという状況でした。

いったいいつになったらこの登りは終わるのかと頭の中が不安でいっぱいになりながらもひたすら重たいペダルを踏み続ける、これが思った以上に精神的にこたえてしまいました。結局、最後は目の前にまだまだ山が続いていると思ってアウターからインナーに落としてスピードダウンしてしまったのですがもう2つほどのカーブを越えた先で登りが終わっており、悔しい思いだけが残ってしまうことになってしまいました。もったいない。

さて、登りが終わったところで出てきたのがトンネルです。ちょっと距離があるトンネルでしたが、交通量が少ない道だったのでよかったです。もし、この時のようにスピードダウンした直後に出てきたトンネルで交通量が多ければ命の危険を感じるところでした。ライトをつけて安全運転でトンネルを抜けるとここからは下りが続きます。思ったよりも長かった登りでボトルの中の水もすべて飲み干していたので少し下ったところにあった自動販売機でオレンジジュースを購入して少し休憩をします。

ここからは基本的に登った分を下っていく形になりました。下りでは脚にたまってしまった疲労物質を取り除くために適度にペダルを回しつつ、回復を優先されて進みます。どのくらい進んだのか記憶に残らないくらい一本の道をただただ下っていくと一つの大きな橋が見えました。池田大橋と呼ばれる橋です。そう、ここにきてようやく徳島の象徴とでもいうべき吉野川が登場したのです。

吉野川を越えてから左折して川沿いを走ることになりました。ここでは山の中にある川ということでちょっとした谷のようになっています。道路沿いを走りながら景色を楽しんで走るのですが、残念なことに交通量が増えてしまいます。ここらでもう一度きちんと補給をしておくことにしました。途中にあったコンビニに入ってシュークリームや補給食とドリンクを買い込んでおきます。

シュークリームでカロリーを摂取しながら地図を確認します。この辺りを走っていると大歩危・小歩危や祖谷渓、落合峠など聞いたことのある名前が標識に書かれています。実は以前知り合いが四国に遊びに行ったときに観光案内マップの一つとしてのロードバイクマップのようなものをお土産にくれたのです。それによるとこの吉野川沿いにはいくつもの山がそびえており、ロードバイクで走りを楽しめる峠というのがいくつもあるようなのです。そのマップを見たときには一度走ってみたいなと感じました。

やはり実際に来て、山を見ると無性に登ってみたくなります。しかし、もしこのうちのどれか一つでもチャレンジしてしまうと予定している徳島にはたどり着けなくなってしまうでしょう。登りたいという気持ちを押し殺して先に進むことにしました。ここでもやはり私は登りのほうが好きなんだなと再認識しました。さて、そんな葛藤を乗り越えてから休憩を終えて再び吉野川を見ながら走り始めることにしました。次回に続きます。

目次

  1. 自転車旅行計画編
  2. 大阪~神戸編
  3. 明石~加古川~姫路編
  4. 恐怖の船坂トンネル編
  5. 備前市を越えて岡山後楽園での昼食編
  6. 一泊目目標地点のの倉敷ユースホステル到着編
  7. 倉敷の街とユースホステル編
  8. 倉敷の歴史について編
  9. 2日目の倉敷~尾道編
  10. しまなみ海道と人との出会い編
  11. しまなみ海道の本当の魅力編
  12. しまなみ海道中盤編
  13. しまなみ海道~鈍川温泉カドヤ別荘編
  14. ロードバイクにやさしい四国の旅館編
  15. 3日目の出発直後に起こったトラブル編
  16. 四国は自転車のメッカになれると感じる讃岐街道編
  17. 10kmアウターヒルクライム編
  18. 昼食・昼寝とその後の状況変化
  19. 空気の壁に激突しながら徳島到着編
  20. 徳島ユースホステルと幻の景色編
  21. 迷いに迷った南海フェリー編
  22. 和歌山港~大阪帰宅編