本州最南端旅行3:自転車旅行の初日で絶望的な気分を味わう編

後悔

本州最南端旅行2からの続きです。

和歌山県庁を過ぎたあたりで一度目のコンビニ休憩を行いました。ここまでで70km・3時間というペースです。本来ならばここまで60kmで来られるはずなのですが、予定以上に長い距離を走る羽目になってしまいました。が、ここまではほぼ追い風基調でありほとんど疲れもありません。このまま追い風が続くことを祈りながら再スタートを切りました。

ここから先は全く知らないルートです。自転車以外でも通ったことが無いのですが、とりあえず42号線をずっと走ることになるので今度こそ道に迷うということはないはずです。標識を見ながら淡々と進んでいきました。

しばらく行くと紀三井寺の案内が出ています。よく西国めぐりに行く人などから紀三井寺の話を聞いたりするので一度は行ってみたいですが、今回は寄り道もできません。素通りして先へと進みます。

さらに進むと海南市へと到着します。何となく海南市は遠いイメージがありますが走ってみるとそれほど遠いというわけでもないんだなと感じました。この辺りまでは住宅の多い道で信号などがあります。ですが、大阪とは違い空が広いので幹線道路でも走っていて気持ちがいい感じがしました。

海南市をググッと曲がってここから海沿いを走ることになります。全く地図を見ずに走っていたのでもうこんな海沿いを走ることになるのかと驚きました。それまではほとんど平坦でしたが、若干アップダウンが現れてトンネルなどを通ることになります。この先の道がどうなっているのかさっぱりとわからなかったため、しばらく走っていると不安になってきました。そこで地図の確認を兼ねて二度目のコンビニ休憩をとることにしました。

下津のあたりでコンビニに入ります。一度目の休憩からそれほど時間もたっていなかったのですが、念には念をということでカロリーを摂取することにしました。シュークリームと菓子パンを購入します。しかし、前日に腹がはち切れるほどの食事をし、一度目の休憩でもシュークリームを食べていたのでもう腹に入らないくらいにお腹がパンパンになっていました。

無理やり口に押し込んでおきましたが気分が悪くなりました。もうしばらく食べなくともいいだろうとも思いましたが、万が一にもハンガーノックになると困ります。どのくらいのペースで補給すればいいかなと考えてしまいました。それにしても本当にお腹がいっぱいです。というかオナラをするとかつてないほどの臭いのきつさでした。前日の食事はきちんと消化されてエネルギーとして使われているのだろうかという心配も出てきます。

そんなことを考えるつつ、さらに先へと進むために出発します。予想ではもう少しアップダウンが続くのかと思っていたのですが、数個のトンネルを越えると海岸線の道は終わりを告げることになりました。

有田市に入ったのです。急に42号線が高架になっていました。そのまま高架を登るかどうするか悩み、車が多かったので歩道に避難して登ることにします。すると見えてきたのは有田川でした。

有田川とRXRS

大きな川ですが、なぜかこの有田川は二級河川のようです。大阪ではどぶ川みたいな小さくて汚い川が一級河川になっていたりするのですが、いったいどういう基準なのかなと疑問に思いました。とりあえず記念に一枚写真を撮っておきます。

さて、この有田大橋を越えると42号線は左折して有田川沿いに進むことになりました。大阪を出てからはここまでほとんど追い風でかなり楽に走れていました。と言っても追い風だからと言って調子に乗ってスピードを出すようなことはせず、基本的に30km/hで疲れないように走り続けていました。

しかし、この有田川からは追い風が向かい風へと変化してしまいました。今度は30km/hでもなかなかの負荷がかかっています。しばらくは「有田みかん」と書かれた看板をいくつも見ながら疲労物質がたまらないペースで走り続けます。みかんが有名な有田ですがこの時期はあまり関係が無いので、川の景色を眺めながら淡々と進み続けます。

しばらくは川沿いに走り続け、その後再び42号線は南下し始めました。しかし、なぜか風向きは向かい風のままです。この日の予定ではルートの後半が海岸然沿いのアップダウンになるため、おそらくそこも向かい風が吹くはずです。せめてそこまでは追い風でいてほしいなと考えていました。

しかし、そんなことはどうでもよくなる出来事が起こります。有田郡湯浅町のあたりを走っていたときにある異変が起こったのです。まだ交通量の多い幹線道路を走っていたときに、ふと路面からのフィーリングがおかしいなと感じたのです。最初は道路に書かれた白線か何かの影響かなと思い気にせずに走っていました。

ですが、ふと信号待ちで止まった時に後輪に手を当てて驚きました。後輪のタイヤから空気が減っていたのです。完全に抜け切っているわけではなく、少し少ないなという感じでした。あわてて道路から歩道へと移りタイヤを確認します。

もう一度確認しても明らかに空気が減っています。パンクでした。が、チューブのバルブのしまりが少し悪いような気もします。もしかしたらここから少しずつ空気が抜けた可能性もあります。とりあえずは携帯ポンプでシュコシュコと空気を入れて様子を見ることにしました。

完全なパンクではないようですぐに走れなくなるというわけではありませんでした。しかし、数kmほど進んでタイヤを確認するとまた先ほどくらいまで空気が減っています。こうなると無駄な抵抗は諦めてチューブを交換しなければなりません。コンビニでもあればそこで停まってチューブ交換を行おうと考えました。

しかし、しばらく走ってもコンビニは見えてきません。広川あたりに来たところで潰れたコンビニの建物と駐車場があったため、そこで停まってチューブ交換をすることにしました。

この時の私の頭の中は半ばパニック状態であったといっていいでしょう。もちろんただのパンクだけであればそれほど問題にはなりません。ここで気にしていたのはタイヤの状態です。というのも今回の自転車旅行の前はほとんどロードバイクに乗っていませんでした。そのため3~4週間前からようやく少しずつロードバイクに乗り始めて体を動かしてきたのです。当然のことながら乗っていない間は自転車の整備もあまりしていませんでした。

そして、旅行の3日前にローラー台を使った時に前輪のタイヤがプクッと膨らんだ状態になってしまっていたのです。あと少しでバーストする寸前という状態でした。放っておくわけにはいかないのでタイヤを交換したのですが、その時お金をケチって前輪のタイヤしか新しいものに交換していなかったのです。

今回の後輪のパンクもタイヤの状態が悪いからではないかという不安が頭の中にあったのです。そこでチューブを新しいものに交換するときに後輪のタイヤをチェックしておきました。確認した限りではバーストしているわけでもタイヤが膨らんでいるわけでもありません。ですが、よく見るとタイヤ表面にはいくつもの小さな穴があり、その穴に小さな石が入り込んでいる部分がいくつもありました。

「このタイヤはいつバーストしてもおかしくないのではないか」と頭の中が不安でいっぱいになります。自転車旅行に行くにあたって用意した予備チューブは3本です。今、パンクのために1本使用しました。残りは2本ですが、もしもタイヤがバーストしてしまった場合はこの残り2本がすぐになくなってしまうことも考えられます。

「なぜ、前輪を交換したときに後輪も新しくしておかなかったのか」「旅行前日にはウエムラパーツに行って安タイヤを見ていたのに、なぜあれを1本買ってリュックに入れておかなかったのか」。このような後悔ばかりが頭に浮かんできます。3日間の自転車旅行に来て1日目の3分の1程度しか走っていない状態でものすごい不安材料を抱え込んでしまいました。

半ば泣きそうな気持ちになりながらも、今後どうするかを考えます。やはりこのタイヤではいつバーストするかという心配がぬぐえません。ここは多少遠回りや時間の消費になってもいいので新しいタイヤを確保しておくべきだと考えました。今回の自転車旅行では2日目・3日目に山を通ることになるのでそれまでには確保しておく必要があります。

ここで頼りになるのがスマホでした。ここからの進行ルート上に自転車屋があるかどうかを調べます。調べた結果、いくつか自転車屋は存在するようですが問題はロードバイク用のタイヤが置いてあるかどうかです。ロードバイクの店は各店がいろんな名前を店名にしているのでグーグルマップでは探せないというのが困りました。

以前、大阪でバーストしたときにはロードバイク専門店ではないですがサイクルヒーローという自転車量販店(チェーン店)でロードバイク用タイヤを購入した経験があります。最近はロードバイク人口が増えてきているので専門店ではなくともおいているところがあるのではないかという希望的観測をもとにここからは店探しをしながら走ることになりました。

この時の時刻はまだ8時半を過ぎたころです。まだどこの店も開いていません。バーストは怖いですが先ほどまでと同じようなペースで走り続けていくとして、店が開く時間帯に通るのは御坊市や田辺市あたりになります。どちらかにタイヤを置いている店があることを祈りつつ、5気圧も入っていないであろう後輪をセットして再び走り始めることになりました。本州最南端旅行4に続きます。

目次

  1. 自転車旅行準備編
  2. 初日に和歌山に入る前にいきなり道に迷ってしまう序盤編
  3. 絶望的な気分に陥るトラブル発生編
  4. バーストを心配しながら田辺へ向かう編
  5. 大きな誤算と刺さる視線編
  6. 椿はなの湯から串本到着編
  7. 貸切状態のドミトリーと露天風呂編
  8. 景色を見ながらの串本から新宮編
  9. 熊野川を眺めながらの快適ライド編
  10. ついに現れた登りとクリート問題編
  11. ライダー宿泊プランと続クリート問題編
  12. 予想外の始まりを告げた3日目編
  13. 目指せ天川村編
  14. トンネルの恐怖と無駄な頑張り編
  15. ラストのゴールと旅行の総括編