本州最南端旅行4:バーストを心配しながら田辺市へと向かう編

タイヤを求めて

本州最南端旅行3からの続きです。

広川でチューブ交換を終え再び走り始めます。最初は次のコンビニを見つけたらチューブ交換をしようと考えていましたが、ここで交換しておいたのは正解でした。なぜかというと走り始めてすぐに山の中のアップダウン区間に入っていったからです。それまであった道路わきの建物が一切なくなり、道路と山しか視界に入らなくなりました。

ここで少し走り方を変えます。というのも心配事があったからです。いつバーストしてしまうかわからない後輪タイヤも非常に心配ですが、それ以外にも「自分の体」が気になっていました。

実に半年ほどまともにロードバイクに乗っておらず、今年一番走った長い距離が65kmという短さでした。そんな状況で、すでにここまでで100km以上走ってきておりこの日の予定は220km以上という私が今まで走ったことの無い最長距離への挑戦ということになります。もちろん自転車旅行なのでその次の日もさらに次の日も走ることになっています。

バーストも怖いですが、自分の体が動かなくなってしまうのも怖い、またそれ以外にもお尻の痛みがどのくらい出るのかというのも不安でした。そのため、ここからはなるべく体への負担がない走りへと変更していくことにしたのです。

ここまでは追い風でも向かい風でもペースを一定に保ち30km/h程度で走っていました。しかし、ここからはサイコンの表示を気にせず、自分の体の声を聴きながら走ります。特に気を付けるのは細かなシフトチェンジです。脚に負担がかからないように少しでもペダルに抵抗を感じたらギアを軽くし、また少しでも空回りするようならギアを重くするように気を付けて走ります。イメージとしてはペダルに抵抗を感じず、サドルに座っているだけで自然に脚が回り自転車が進むように走らせていきました。また、お尻の痛みを減らすためにこまめにダンシングを取り入れていきます。

アップダウン区間に入り、しばらくすると「水越トンネル」が見えてきます。いつも大阪で走っているコースにも水越トンネルがあるので不思議な縁を感じるなと思いながらトンネルへと入っていきました。ここまでの道とは違い、この辺りになってくると交通量もかなり減ってきているのでトンネル内でもそれほどストレスを感じず走ることができました。

そこからは細かなアップダウンを越えていきます。こんな山の中でタイヤがバーストしたら面倒だなと思っていましたが、走り始めるととりあえずは問題なく走れている感じです。登って下ってを繰り返して、しばらくすると御坊市へと到着しました。

先ほどのチューブ交換で体は休めていましたが補給をしていなかったのでコンビニへと立ち寄ります。前回の休憩時に食べ物を受け付けないくらい腹が張っていたのでここではスポーツドリンクやジュースだけを買っておくことにしました。

ここでもう一度スマホを使って自転車屋を探します。検索したところ自転車屋はありますが、やはりロードバイク用のタイヤが売っている店かどうかは分かりません。時刻もまだ10時を回っていないくらいの時間なのでここで自転車屋を探してうろうろするのは時間の無駄になってしまうかと思い、このまま進むことにしました。次の大きな街である田辺市でタイヤを探すことにします。

御坊市を越えると道は山から海のそばへと変わります。と言ってもこの辺りは海岸線を走るわけではなく、アップダウンを越えているとたまに右手に海が見えているという程度に過ぎません。が、さすがに海のそばのためか風は完全に向かい風へと変わってしまいました。

細かなアップダウンと向かい風で思った以上にスピードが乗りません。淡々と走ることになります。本来自転車旅行ではボーっと景色を見ながら走るのですが、今回はタイヤが無事なうちに田辺市までたどり着くという目的があるからか、あまり景色を楽しむ余裕がありませんでした。

右手にはたまに海が見え、左手には畑が続くという道が続きます。この風景がずっと続いているからかスピードが遅いからかわかりませんが、自分が前に進んでいないのではないかとさえ思ってしまいました。いつになったら田辺市に着くのだろうかと思うのと、翌日以降のために無駄な脚はなるべく使わないようにという思いからかひたすらシフトチェンジに意識を集中させて走り続けます。そのためか、この辺りのことはほとんど記憶に残らないということになってしまいました。

いくつかの港町を越えてようやく田辺市に到着したのは11時ごろでした。非常に長く感じました。が、ゆっくりもしていられません。とりあえず田辺市に着くと42号線を外れて標識にある「田辺市街」へと向かうことにしました。

まず、第一に何でもいいので自転車屋を見つけることにします。スピードを緩めあたりをキョロキョロと見渡しながら進んでいくと一軒の自転車屋がありました。すかさずその店へと飛び込みます。

どう見ても普通のママチャリしか置いていない店で棚を見てもロード用のアイテムなど何一つおいていません。が、出てきた店主に向かって「ロードバイク用のタイヤは置いていますか?」と尋ねます。当然答えは「ノー」でした。そこで、ロード用タイヤを置いていそうな店がこの辺りにないかと尋ねます。そんなところはないと言われたらどうしようかと思ったのですが「トライアスロンしている人が行く店があるよ」と教えてくれました。わざわざ地図を広げてその店までの行き方を説明してもらいました。

感謝のお礼を何度も言ってその店へと向かいます。しかし、店主の説明通りに走っていたつもりが道が違うことに気がつきます。仕方がないのでスマホを取り出してGPSで現在位置を調べ店までのルートを表示します。こういう時はスマホのありがたみがよくわかります。

目的の店に行くまでには激坂を登る必要があります。なんで街中に15%以上もありそうな坂があるのかと思いながらなんとかその店までたどり着きました。スポーツショップオナハというお店です。

オハナスポーツ店

店に入りタイヤがあるかどうか尋ねると自転車用品は2階にありますと案内してもらいます。「タイヤは何に使いますか?レース用とか練習用とか」という質問に対して「一番安いやつで」という微妙にかみ合っていない返答をします。3600円のマビックのタイヤを購入することにしました。ついでに1本使ったのでチューブも買っておくことにしました。タイヤの値段は分かりませんが、チューブは大阪で買うよりも割高でした。改めて競合店の多い大阪での安さを体感しました。

さて、無事にバーストする前にタイヤを購入できたわけですがそうなると急に貧乏性が発動してしまいました。「まだこのタイヤ使えるんじゃないか?」という思いから、その場でタイヤは交換せずにバッグにお守りとして入れておくことにしたのです。今回からバッグの中の荷物に圧縮袋を使用していたのでタイヤが入るだけのスペースが存在していたのも助かりました。

無事にタイヤを買えて一安心し、時計を見るともう12時前くらいになっています。それまでお腹が空いたとは感じていませんでしたが、ホッと一息ついたところで昼食を食べてから先へと進むことにします。本州最南端旅行5へと続きます。

目次

  1. 自転車旅行準備編
  2. 初日に和歌山に入る前にいきなり道に迷ってしまう序盤編
  3. 絶望的な気分に陥るトラブル発生編
  4. バーストを心配しながら田辺へ向かう編
  5. 大きな誤算と刺さる視線編
  6. 椿はなの湯から串本到着編
  7. 貸切状態のドミトリーと露天風呂編
  8. 景色を見ながらの串本から新宮編
  9. 熊野川を眺めながらの快適ライド編
  10. ついに現れた登りとクリート問題編
  11. ライダー宿泊プランと続クリート問題編
  12. 予想外の始まりを告げた3日目編
  13. 目指せ天川村編
  14. トンネルの恐怖と無駄な頑張り編
  15. ラストのゴールと旅行の総括編