本州最南端旅行9:熊野川を眺めながらの快適ライド編

世界遺産

本州最南端旅行8からの続きです。

2日目の序盤のアップダウンを越えて新宮市にまでたどり着きました。ここまで向かい風の区間が続きましたが、あくまでもマイペースを貫いたため、そこまでの疲れは出ていません。新宮市に入り、ツーリングマップルを見ながら、このまま真っ直ぐに進む最短コースではなく、少し遠回りの山側のコースへと進むことに決めました。

新宮市ではツーリングマップルを見ただけで、特に休憩することはなく再び走り始めることにしました。ここからは168号線を走ることとなります。ちなみに、この辺りのコースはいくつかのルートをグーグルマップで大まかな距離だけをチェックしていたのみで、どのコースがどのくらいの登りになっているのかや走りやすいコースだとかは全く調べていませんでした。

しかし、この168号線に入ってすぐに「この道は当たりだ!」とわかりました。かつてここまで気持ちよく走れた道がいくつあったかと聞かれてもすぐに出てこないほどです。

道幅は広く、路肩も十分にスペースがあり、きちんと舗装されている道というだけでもありがたいのですが、さらにこの168号線の横には大きな川が流れています。この川こそこの地方を代表する熊野川です。雄大でのんびりした空気が流れており、それまで走ってきた42号線のようにトラックを含め交通量がグンと減っているため、一切のストレスなく自転車で走ることができたのです。

熊野川と168号線

さらにうれしいことに、この時の風向きがそれまでの向かい風とはうって変わって追い風に変化してくれていたこともいい印象につながったのだと思います。この168号線は緩斜面が続いているので、パワーの無い私のような人間は本来知らないうちに体力を消耗させられてしまいそうなものなのですが、この時は追い風に乗ってほとんど力を使っていないにも関わらず30km/h以上を出し続けることができていたのです。

これまでの海沿いの道とは全く異なるきれいな景色を見ながら走ることができ、本当に心から気持ちよく走ることができました。

168号線にある小さな滝

また、この168号線からは滝を見ることができる道なども分かれているようです。と言ってもロードバイクできており、ましてやビンディングペダルで歩きにくいために滝を見ることはかなわないと思っていたのですが、走っているといくつかの小さな滝が168号線沿いにもありました。このように少し走れば変わった景色が見られるのも山のいいところです。

さて、気持ちよく走ってきていたのですが、そろそろこの辺りでボトルの中のドリンクが心もとなくなってきました。そこでもう少し進んだところにある道の駅で一度休憩をとることにしました。瀞峡(どろきょう)街道熊野川という道の駅に立ち寄ることにしました。

道の駅に入りグルッ端から回るように移動していきました。そこで大きな看板が立てられているので少し読んでみることにしました。そこに書かれているのは、先ほどから目にしていた熊野川についてです。

ものを知らない私はここでも全く知らなかったのですが、この熊野川は世界遺産に指定されているようです。正確にいうと世界遺産には「熊野古道」が登録されており、熊野古道が世界遺産だというのは知っていたのですが、実はこの熊野川も熊野街道の一部として世界遺産に当たるようでした。

これは世界的にも非常に珍しいようで、川が道として世界遺産として認められているのはこの熊野川だけなのだそうです。かつてはこの熊野川の流れに乗って舟で移動していたことから街道として含まれたようです。上流から下流の新宮市に行くまででも4時間はかかり、反対に下流の新宮から上流にも登って行っていたようなのですが、そちらはもっと時間がかかっていたようです。昔の小さな船だったので、この熊野川を行き来するだけでも命がけに近いものがあったといわれています。

看板に書かれている熊野川についての説明を読みながら「なるほどな~」と思いながら、別のことも考えていました。1日目に今まで走ったことの無かった距離である255kmを走っている時にはこのように看板の文字を読む心の余裕すらありませんでした。少しでも早く先に進むために、一心不乱になってペダルを漕いでいたのですが、やはり自転車旅行である以上、このように走った土地のことも少しは知る機会が無ければもったいないと感じました。やはり自転車旅行ではどれだけ走っても200km以下、できれば150km前後くらいのほうがいろいろと見て回れてよさそうです。

さて、ここまで何も食べずに来ていたためとりあえず補給もとることにします。ツーリングマップルを見たところ、この道の駅には「かあちゃんの店」にあるめはり寿司が人気のようです。めはり寿司というのはこの辺りで発祥のお寿司らしいのでせっかくですから食べてみることにしました。

実はこのめはり寿司というのは一般的なお寿司のイメージのものとは違い、高菜の葉でつつんだおにぎりのことだそうです。さすがにこれだけではカロリーとして少なすぎるため、ほかにお腹の膨れそうなちらし寿司も合わせて買うことにしました。

しかし、この食料を食べる場所が無くて困りました。この日の天気は快晴で、前日の日焼けもあり、どこか日陰に入りたかったのですが、どこにも日陰になる場所が無かったのです。仕方がないので暑い中直射日光をまともに浴びながらベンチに座って食べたのですが、走っている時よりも食べている間のほうが体力を消耗したのではないかと思ったくらいでした。

食事を済ませてから、再び自転車にまたがります。また168号線を進んでいったのですが、しばらく行くと分岐点に訪れました。そのまま、真っ直ぐに行けば168号線ですが目的地までかなり大回りになり、右折すると169号線へと入り若干コースを短縮できるようです。

立ち止まってツーリングマップルとにらめっこをします。しばらく考えた結果、今回は右折して169号線へと進むことにしました。この169号線がどのような道か事前に一切調べていなかったため、不安もありましたが、どうせどちらを選んでも初めての道なのでかまわないだろうという判断です。これからちょっとしたトラブルがあるとは考えもしませんでした。本州最南端旅行10へと続きます。

目次

  1. 自転車旅行準備編
  2. 初日に和歌山に入る前にいきなり道に迷ってしまう序盤編
  3. 絶望的な気分に陥るトラブル発生編
  4. バーストを心配しながら田辺へ向かう編
  5. 大きな誤算と刺さる視線編
  6. 椿はなの湯から串本到着編
  7. 貸切状態のドミトリーと露天風呂編
  8. 景色を見ながらの串本から新宮編
  9. 熊野川を眺めながらの快適ライド編
  10. ついに現れた登りとクリート問題編
  11. ライダー宿泊プランと続クリート問題編
  12. 予想外の始まりを告げた3日目編
  13. 目指せ天川村編
  14. トンネルの恐怖と無駄な頑張り編
  15. ラストのゴールと旅行の総括編