伊勢旅行⑧伊勢市~津市~長野峠編

伊勢旅行最終日(8月29日水曜日)

2日目は時間ぎりぎりまで風見荘に泊まっている旅人たちと話をしていしまい遅くなったので起きられるかどうかが不安でした。しかし、朝起きて時計を見てみると5時過ぎで出発するにはこれ以上ないいいタイミングです。

ごそごそと着替えを取り出してベッドから出ると洗面台で顔を洗い、出発の準備を始めます。この日でこのゲストハウスの風見荘ともお別れですので、忘れ物がないか入念にチェックして部屋から出ていきました。始めてゲストハウスに泊まりましたがいろいろな人たちと交流ができて予想以上に面白かったです。ぜひ機会があればこのようなゲストハウスやユースホステルなどを利用してみたいと思いました。

時刻は5時半過ぎでしょうか。玄関を開けてみると道路が濡れていました。この時には雨は降っていませんでしたが前日のように途中で降ってこないかと心配になりましたが、どのみち走らなければ家に帰ることができません。腹をくくってペダルを漕ぎ始めました。まずは宿を出て北に向かいます。ここで23号線に出ると次は左折して北西方向に進んでいくことになります。ここは前日とは違い道に迷うこともなくすんなりと23号線に入ることができました。

23号線を少し行くと宮川大橋があり、ここを過ぎると42号線へと切り替わります。この道は南勢バイパスというらしく、片道2~3車線の広い道路がずっと続いています。これをそのまま走り続け、松阪市を越えて津市にまで行く予定です。

実はこの道を通るのは少し心配でした。なぜならずっと同じ方向に向いて走ることになるからです。この伊勢旅行では常に向かい風に悩まされていたこともあり、ほとんど風恐怖症とでもいうような状態になっていました。ここで向かい風が吹こうものなら宿を出てすぐに心が折れていたことでしょう。

しかし、この日はありがたいことに向かい風が吹くことはなく、反対に追い風が私の背中を押してくれたのです。結構な風が吹いていたようで30km/hで巡航し続けているにも関わらず心拍数は135前後というまるでLSDのようなペースで走ることができました。三重から大阪に帰るにはどうしても山越えをしなければならないので、ここでの追い風では無理に体力を使うことが無いようにこのペースを維持したまま走り続けました。

ですが、一つだけ問題がありました。この南勢バイパスは道路が大きいだけあって交通量が思っていた以上にあるのです。特にこの日は平日ということもあり、6時を過ぎたあたりからどんどん車の数が増えていきました。さらに進んでいったのですが6時半を過ぎたあたりで車の数が半端なく多くなってきました。このまま行ってもいいですが、あまり交通量の多いところを走ってもロードバイクは楽しめないなと考えます。

そこでいったんコンビニに立ち寄って休憩することにしました。ジュースや朝食を買ってここで食べることに。旅行ならばおいしいお店を探してその地方でしか食べられないものを食べたほうがいいのでしょうがまだ時間は7時ということもあり、空いている店を探すだけでも大変そうでした。コンビニではカロリーを取れて消化の速そうなパンを選んで食べながら地図を確認します。

日本の峠百選

本来の予定では津市まで行って163号線に入るつもりでした。しかし、交通量の多さが津市に入ればさらにひどくなるかもしれないと考えて、その前に165号線で左折して少しショートカットすることにしました。ルートを選んで食事が終わればすぐに出発です。ここまで信号などで停まりながら1時間少し走ってきましたが平均時速は30km/hを越えていました。それでいて疲れはほとんど出ていません。2日目にあった大腿部の痛みも出ておらず、これなら楽しんで走れそうだとテンションも上がります。

165号線に入りここからは西を目指して走ります。ここは今までと違い道路が狭く、それでいて交通量もそこそこあるので少し怖かったです。しかし、ここでも風は向かい風にはならなかったのが救いでしょう。淡々とペダルを漕ぎ続けると久居を越えて659号線が見えてきました。

この659号線で右折して当初の目的だった163号線を目指します。この659号線は狭くアップダウンがある道ですがのどかな田舎道といった感じで走っていても気持ちがよかったです。しかし、それまでは平地ばかりでしたがここからはどんどん登っていくのだなと感じる道になってきました。

しばらく659号線を走っているとようやく163号線に入ります。途中何度も青山高原への標識が目に留まりましたが、今回は青山高原はパスします。お目当ては163号線にあるという長野峠です。この長野峠はツーリングマップルで見ると日本の峠百選に選ばれている峠だそうです。

163号線は村の中を走る道と行った感じでした。道は大きくはありませんが狭いこともなく、何よりも交通量が少ないので走りやすかったです。また、山の中を緩斜面が続いて登っており、毛周りが緑で囲まれているので走っていて自然と笑みがこぼれるようでロングライド冥利に尽きるというものです。

また、この道でも風が助けてくれるのか苦手な緩斜面だというのにあまりペースが落ちることもなく走り続けられました。1日目は高見トンネルと越えて伊勢街道を走りましたが、その道よりもこの163号線は走っていて気分がよかったです。なぜだろうと考えながら走っていたのですが、それは森の姿にあると気づきました。

伊勢街道の周りの山は植林されたのかほぼすべての木が杉の木でした。そのため鉛筆削りで削ったかのようなとんがった木が並んでいるだけで森の表情があまり変化しなかったのです。しかし、この163号線では自然の山が残っていたのです。道のわきにはいろいろな木や植物が生えているので少し移動すると森の表情も変わります。やはりロードバイクで走るのならば本当の自然の中を走るほうが楽しめるのだなと思いました。

さて、景色を楽しみながらどんどん登って行ったのですが一つ失敗がありました。それは目的の長野峠です。実は長野峠のことはツーリングマップルで見ただけで、ほとんど調べずにいたのです。実際に163号線を走ると長野峠は通れませんという看板が立てられていました。どうしようかと悩みましたが仕方がなく新長野トンネルを通って山を越えていくことにしました。

しかし、これは後で家に帰ってから調べて知ったのですが長野峠には3つの通り道があり車では行けなくとも自転車ならば通れることが分かりました。新長野トンネルは一番新しくできたトンネルなのですが、そのほかのトンネルが峠の途中にあり昭和や明治時代に作られたトンネルと林道になっている長野峠があるようです。今から考えると一度登ってみて通れるかどうかだけでも確認しておけばよかったなと思いました。

ですが、この時はその後の走りのことも考えて無駄な体力を使う気にはなれなかったのです。結局今回の旅での目的だった高見峠と長野峠という日本の峠百選に選ばれた2つの峠を通る旅行というのが達成できませんでした。残念です。

新長野トンネルは交通量が少なく結構な距離のわりには安全に走ることができました。このトンネルを抜けてしまうとここからは下り基調の道になります。ここでボトルの水が心もとなくなったので自販機で水を購入して補給しておきました。地元の人がいて少し話をしましたが、割と津市などから自転車で来る人もいるようです。「伊勢から来ました」といってもあまり驚く様子もありませんでした。

この辺りで時間は8時半過ぎくらいでしょうか。とりあえず大阪に帰るための一つの山を越えたことになります。ここまでは調子よく走れていましたが、ここからが大変でした。次回に続きます。

目次

  1. 伊勢旅行の準備編
  2. 長居公園~竹之内峠~高見トンネル編
  3. 高見トンネル~桜峠~伊勢市編
  4. 伊勢神宮~風見荘一泊目編
  5. 伊勢市~二見~鳥羽編
  6. パールロード~志摩スペイン村~伊勢神宮編
  7. 風見荘二泊目編
  8. 伊勢市~松阪・津市~長野トンネル編
  9. 長野トンネル~伊賀上野~月ヶ瀬・柳生~大阪へ帰宅編