ヨーロッパと日本のプロロードレーサーの食事を比較してみた

プロは何を食べているのか

私を含めてプロロードレーサーがいったいどんな食事をしているのか気になる人は多いと思います。特にロードバイクのレースにおいては全然食べなくてカロリー不足であれば走れませんし、かといって食事をとりすぎれば体重が増えすぎて遅くなってしまいます。私のように趣味で走っている週末ライダーでも体重はロングライドのときに「快適な走り」をできるかどうかにかかってきますので、以前より興味がありました。

そこで今回はロードレースのプロたちがどんな食事をしているのか簡単に調べてみたので紹介してみます。

まず、日本人から見てロードバイクのプロというと大きく3種類に分けられるかと思います。一つは「ヨーロッパ人のプロ」であり、ほかに「ヨーロッパで活躍する日本人」、そして「日本国内で活躍する日本人プロ」に分けられます。

ヨーロッパ人プロはまさしく超一流といえるでしょう。自転車競技の文化が発展した社会の中からさらに選りすぐりの猛者がそれに当たります。今回はイタリアの英雄のイヴァン・バッソの発言を見てみました(参照:イヴァン・バッソに聞く、欧州プロ選手の食事)。

そしてヨーロッパで活躍する日本人プロは日本でトップの実力を持ち本場のヨーロッパで奮闘している一流の選手です。やはりヨーロッパと比べるとまだ実力差があるようですが、近年ではグランツールでも活躍する日本人が増えてきていて頼もしい限りです。ここでは土井雪広選手のブエルタエスパーニャ期間中の食生活を参照しました。

最後は日本国内で活躍する選手です。日本ではまだまだロードバイクはマイナースポーツですので、選手の実力以上にプロとしての活動環境が整備されていないというのが特徴でしょうか。ここでは鈴木真理選手の合宿食事を参考にしてみました。

それぞれ、シーズン中かオフかという条件が違うのですが見比べると面白いと思います。

イヴァン・バッソの例(主にシーズンオフについての話)

プロフェッショナルのロード選手というのは、常に節制を心がけたライトミールに注意するべきだ。最も重要なのは、添加物を中に入れ過ぎない。調味料やソースの類いには特に注意をしている。なので、基本的に塩ゆでのプレーンパスタにオリーブオイルを絡ませたものが中心的な食事になっているというのは当たっている。肉、魚についても添加物を入れないプレーンな状態、魚も生の状態などが好ましい。

プロフェッショナルとして生活していると転戦を重ね、ホテルのレストランなどで食事する事もどうしても多くなる。その時の食事については非常に気を使っていて、レストランで添加物、具の入ったパスタをオーダーする事はまずない。レストランでは塩ゆでのパスタを注文し、それに自分で持ち込んだチーズやオリーブオイルなどを組み合わせて食べている。

食事の時にビールやワインを飲んだり、1枚ピザを追加する事はあるし、マクドナルドのようなファストフードに行く事もある。ただし、そのような期間はもの凄く短いし、いわゆる普通の人が食べているような料理やファストフードを食べる事は3回から5回だ。1年間でだ。アルコールもプロフェッショナルとして過ごすのであれば、ハメを外して飲んで許されるのは年間3回まで。それもオフシーズンに限る。

ロードレースには1つの法則がある。悪い冬を過ごすと、待っているのは悪いシーズンだ。オフシーズンはレースがオフなだけであって、プロフェッショナルとしてオフになる事を意味する訳ではない。

どの選手にとっても重要な事は食べ過ぎない事だ。長時間練習した日は私も食べるし、練習していない日は節制している。4,5kgの脂肪というのは食べる事によってすぐについてしまうが、これをレースコンディションの体脂肪率まで戻す事をトレーニング、コンディションとのバランスをとりながら行う事は簡単ではない。

土井雪広選手の例(ブエルタ開催中の管理された食生活について)

朝の食事

まずはミューズリー、グラノーラ、コーンフレーク、ヨーグルト、牛乳を前の晩にミックスして冷蔵庫で寝かせておいた物を食べます。

そしてジャムを塗れるだけ塗ったフランスパン(毎朝チームトラックで作った焼きたて)を食べて、最後にパスタorライス。

それと一緒にハムとチーズをトッピングした15センチ×10センチ?ぐらいのオムレツを(ハムとチーズは僕のリクエスト)。

これらを流し込んでレースに出発。

昼の食事

昼ご飯はあるはずも無く、レース中に食べる補給食。

夜の食事

夜のベーシックメニュー「サラダ」「温野菜」「肉(牛肉、鶏肉、魚)一日交替」「炭水化物」

この順でお腹に入れていきます。

こんな生活を一ヶ月続けます(注:ブエルタは約1か月間ステージレースを行う)。

他の二人のグランツールを走った日本人戦士はどんな食生活なのかはわかんないけど、おそらく似てると思いますよ。

ブエルタ終了後にマクドナルドを食べる許可が下りたときの一コマ

みんなではしゃぎながらマクドナルド食べていいんすか!!(can we eat Macdnalds!!!!!????)と店内に入っていったのは言うまでもない。その後みんなでビックマックを食べられるだけ食べたのであった。

鈴木真理選手の例(日本国内でのチーム合宿の食事麗

朝食はスーパーで前日に買い出し。

サンドイッチやパン、お弁当をチョイス。夕食後買に行くので、品物が半額になってたりして助かりました。

昼食は練習中にコンビニで弁当&おにぎり、パンで結構がっつり食べる。

夕食は夢庵1回、スキヤ3回、定食屋1回。

やはり財布的にスキヤが助かる。

外食は栄養バランスが取り難いのでサプリメントでカバー。

やはり食事は自炊の方が予算&栄養バランスが取りやすくて良いですね。

昨年、オランダで滞在してたホテルでは、昼食等を自炊してました。

感想

こう見てみるとやはり本場ヨーロッパでは走りの速さだけではなく食事にまで非常に気を使っているのがよくわかりますね。土井選手のはチームが食事を管理していて基本的にはチームメイト全員がこのような食事になるようです。

対して日本国内ではそもそもチームにビックスポンサーがつくことも少なく、各選手が金銭的に節約しながら活動しているのがわかりました。鈴木選手はアジア選手権で優勝をするほどに実力者ですが、ほかの記事ではよく「選手活動をして食っていけるかを判断基準にしている」と書いています。なかなか大変だなと思ってしまいました。

ですが、バッソ選手のコメントは一種の「ヨーロッパ人特有のオーバーなコメント」であると思うという意見もあります(参照)。海外ではパスタが主食であり、これに不必要にカロリー摂取を防ぐためにボロネーゼやカルボナーラは一切食べないというのを強調するために「塩茹でパスタ」と発言している面が強いとのこと。しかし、意識の高さというのはすごいものがあるなと感心してしまいました。

さて、われわれ趣味で走っているようなロードバイク乗りは海外プロのような猛烈な節制による食事は全く必要ないでしょう。しかし、参考にするポイントはあり、「常に食事に気を配る」ことかとが重要かと思います。普段から自分が何をどのくらい食べているのかを把握しておくことが重要でしょう。何事も腹八分目が一番です。くれぐれもバッソ選手のまねをして体を壊さないように気を付けてください。