リカンベント弁償問題から考えたこと

行政の責任

去年の8月に千葉県でリカンベントに乗っている人がいたようです。このリカンベントに乗っている男性が道路を走っていると道路の端にある集水ますと側溝の間に幅5センチ・長さ60センチの溝があり、ここにタイヤを取られて転倒してしまいました。

不幸中の幸いでこの男性にけがはなかったようなのですが、自転車のほうはカーボンでできていたため転倒の衝撃で破損してしまったといいます。

リカンベント3

このリカンベントは普通に売られているものではなく男性の手作りだったそうで、なんと総額は265万円になるといいます。怒りが収まらない男性はその道路の整備について責任がある千葉県東金市に対して弁償するように求めたといいます。

ここでの市の対応は驚くべきことに「弁償する」と答えたようです。通常であれば弁償などはしないところでしょうが、きちんと鑑定人に自転車の査定をしてもらい、その総額265万円から市と男性の過失割合を6:4として、原価滅却分を除いた金額として138万5千円を支払うことになりました。

この対応に対して自転車に全く興味のない人間は「そんなバカな、自転車がそんなにするわけがない。高すぎる」という声が多いようですが、ロードバイクなどに乗っている側にはその金額では足らないだろうと意見が正反対になっています。私個人は金額云々よりも画期的な決定だなと市の対応に関心するばかりです。

さて、賠償額がどうこうという話はおいておいてこの事故から考えたのが「道路の整備」についてです。

自転車は車輪が地面を転がって進んでいきますので、当然のことながら道路がきちんと整備されていなければ走ることができません。ましてや落とし穴のように穴が開いていたのであれば転倒して当然です。

今回の件ではリカンベントという特殊な自転車であり、高額であったために話が大きくなりましたが、実際には普通のママチャリでもこの穴にタイヤを取られて転倒する危険性は十分にあると思います。

法律で「自転車とは車道を走るもの」と規定されており、最近はその法律を守らせるべく盛んに車道を走れと言われますが、実際のところは車道は自転車が走れる状態に整備されていないと思います。それは今回の溝についてもそうですが、そもそも日本の道路は車が走るためだけに道路を設計しているのでいろいろと問題があるのです。

その一つに車道の路肩部分は道路の排水のためにラインの外側は車道とは勾配が異なるように作られています。そのため、雨が降った時やその後などはこの路肩部分に多くの水が溜まりますし、何よりきちんと舗装されているわけではないのでデコボコになっていたり、小さな段差ができていたりで非常に自転車にとっては危険な状態になっています。

道路の路肩道路の路肩の勾配

自転車のタイヤというのはわずかな段差などでも十分に転倒してしまう可能性があります。少なくとも車道を走れというのであれば路肩部分も自転車が走れるような環境を作るべきだと思います。

この路肩の勾配の変化などならば少し道路の部品を変えるだけでも十分に対応できるものですので、これを変えるだけでも自転車が走りやすい国になるだろうなと思いました。この弁償事件を機に市レベルでもいいので変えていってほしいなと思います。