自転車が倒れずに走ることができる理由について

不思議だけれどわからない

なぜ自転車は真っ直ぐに走ることができるのか。これは初めて自転車を親に買ってもらった時にも考えたかもしれない疑問でした。しかし、当時小学生の私は考えるよりも体で覚えるとばかりに自転車にチャレンジし、そして玉砕しました。結局どれだけ練習しても乗ることができず、諦めて放置していたのですが一年後にふと再トライしてみるとあっけなく乗れるようになっていました。

さて、人間というのは不思議なもので一度「当たり前」になってしまうとそれ以降は「不思議だ」と感じることがなくなってしまうようです。自転車に乗れるようになってからは「なぜ自転車は倒れずに走れるのか」という疑問が頭に浮かぶことはなくなってしまっていました。

しかし、大人になってロードバイクに乗り始めてから再びこの疑問が私の頭に浮かんできたのです。

原因は「3本ローラー」でした。今までは「なぜかよくわからないが、倒れる前に前に進んでいるんだろう」と何の根拠もない理論で済ましていたのですが、3本ローラーでは前に移動することができないのに転倒せずにロードバイクに乗っていることができます。これが不思議でした。

で、何かの拍子にインターネットで目にしたのが「ジャイロ効果」なるものです。ジャイロ効果というのはタイヤなどが回転している状態では横から外的な力が加わらない限りは姿勢が安定するという不思議な現象のことのようです。

これがその動画です。不思議ですね。

高校生のときには物理は習わず生物を取っていた私にとっては理屈を聞いても理解できなかったため、「ジャイロ効果が発生しているから3本ローラーでもこけないんだ」と思い込むことにしました。

このジャイロ効果を最大限に発揮したホイールを作るとホイール+タイヤという車輪単体でも姿勢を保つ効果があるといいます。

いったいどうなっているのかよくわかりませんね。とにかくジャイロ効果というのがあるから自転車はこけないんだと思っていたのですが、しかし、最近は実はジャイロ効果が無くとも自転車はこけないという実験結果も出てきているようです。

自転車が倒れない理由の定説がくつがえったという記事がそうです。自転車が倒れない理由の定説にはジャイロ効果以外にもハンドルから前輪にかけてフロントフォークが少し前に出るようになっているのも関係しているとされていたようです。

しかし、アメリカの大学で作った自転車もどきではジャイロ効果の発揮しないタイヤと前輪がハンドルよりも後ろに位置する仕組みを作ったものでもきっちりと安定して走ることができたとされています。これによって今まで考えられてきた定説がくつがえったというのです。こちらがその自転車の動画です。

で、この実験結果からは自転車の前輪と後輪の重量が関係しているとされています。つまり、自転車の後輪よりも前輪が軽いため前輪は後輪より早く倒れようとします。でも前輪と後輪はつながっているので、結果的には前輪の方向に向かって進むようになり、倒れないというのです。これは本当なのでしょうか。前輪のほうが重たかった場合は姿勢を保てないということになるのでしょうか。

結局のところこの実験結果だけでは説明がつかない部分もあるそうで、「なぜ自転車が倒れないか」についてはこれからも研究していかなければならないとされているようです。

さて、ここまでは自転車が倒れない理由でしたが、これはあくまでも自転車単体の力学について考えた場合となるようです。

当たり前ですが自転車を単体で考えても仕方がありません。当然人間が乗って操作する必要があるからです。

そして人間が実際に自転車を使う場合に問題になるのは「倒れない理由」よりも「倒れずに走る続けられる理由」が重要になってきます。特にロードバイクに乗っていれば100km以上走ることもありますがトラブルでの落車以外に倒れることはないでしょう。

この走る続けられる理由はハンドル操作と体でのバランスを取る人間の素晴らしい機能であるようです(参照記事)。ハンドルを切るという動作は倒れそうになっている車輪に正反対の力を加えることによって元の状態に戻しているのだとか。バランスについては自転車が傾いたときに体を反対に傾けて元に戻す動作です。

結局、いろいろと理由を考えても行き着くところは「人間の能力がすごいから」ということになってしまうようですね。しかし、飛行機もなぜ空を飛べるのかいまだに理由がわかっていないとも聞きますし、人間社会ではよくわからないものを使っているという事例が身近なところであるんだなと思いました。