2012年ロンドンオリンピックロードレースの動画と解説

ロードレースの動画

私はロードバイクに乗り始めた時が3年前だったので、4年に一度のオリンピックであるロードレースを見るのは今回が初めてになります。

しかし、当日は残念ながら予定が入っており、ライブで見ることはかないませんでした。そこで、ネットで動画を探したところいくつかあったので載せておこうと思います。

1.日本語で見たい人のためにまずはこの動画をお勧めします。gorin.jpというサイトで日本語の実況と解説付きで見ることができる動画です。

正直なところあまりいい解説・実況ではありませんが英語がわからんという人は最初に見ておくといいかもしれません。

自転車(ロード)男子ロードレース

2.お次はNHKの動画がいいかもしれません。こちらには解説がついていないためレース現場を取った映像がそのまま流れているだけなので味気ない感じもしますが、下記のリンクからダイジェスト動画を視聴すればかなり細かい部分を選択しながら見ることが可能です。

NHK2012ロンドンオリンピック男子個人ロードレース

3.最後は英語での実況が付いているこちらの動画です。ちなみに私は英語をマスターしていないため何を言って言うのかはさっぱりわかりませんが、コメント機能のためその時の状態がおおよそ判断できるかもしれません。こちらはニコニコ動画にアップロードされたものなのでいつまで視聴することができるかは運しだいということになりそうでしょうか。

ロンドンオリンピック2012男子ロードレース

レース解説

ここからはレースについての解説です。まだレースの結果を知らない人は見ないようにしたほうがいいでしょう。

レースはロンドン市内の「ザ・マル」を出発し、ひたすら平坦な道を進んだ後に「ボックスヒル」という周回コースを9周することになります。ボックスヒルは15.7kmの周回コースで登坂距離2.2km、平均勾配7%の坂を走ることになります。この坂はプロならばなんということもなく走り切ってしまうのですが、ピュアスプリンターであるカベンディッシュなどは1~3周は何とも感じなくとも9周ともなると山を走っているように感じてくるとコメントしており、ゴール手前で爆発的なダッシュ力を発揮するスプリンターが優勝するにはいかにこの坂道で力を温存していくかということが大切になります。

このカベンディッシュはスプリンターとして非常に優れた選手であることは言うまでもなく、また今回は主催国であるイギリス出身であるということでわざわざ坂に対応するように体重を落としてまで今回のオリンピックに照準を合わせた調整を行ってきました。

反対に他国の選手はこのカベンディッシュを抑え込むためには逃げを決める必要があります。ついこの間イギリス勢が活躍したツール・ド・フランスの結果を見ても集団スプリントを避けていかにイギリスを封じたうえでどのように勝ちにつなげるかが見所になるレースでした。

また、先に行われたツール・ド・フランスなどやほかのロードバイクレースと大きく違う点として、選手は無線を使って指示を仰ぐことができないということが挙げられます。通常ならば選手はチームに所属してレース中にはチームカーで一緒に走りながら全体の情報を伝えるために無線を使用しているので、走りながらでも他の選手の情報を知りそこからどのように走るかを支持されて勝つための走りをプロはしています。

しかし、オリンピックである今回は自分の所属するチームではなく自分と同じ国の選手と協力して走ることになり、また無線は使えないために選手はその場で自分で情報を得ながら何が最適な選択かを判断して勝利を目指して走る必要があります。これはレース結果に大きくつながってきます。

さて、そんな違いのあるオリンピックのロードレースですが結果としては見事にイギリス対多国籍連合という形になりました。大勢の逃げが集団から飛び出してかなり大きな逃げ集団を形成したため、それをイギリスがメイン集団を引っ張って追いかける形となりました。

ロードバイクは坂道も問題ですがさらに気を配るべきポイントに「風」があります。ロードバイクを漕ぐ力は実に80%以上が空気抵抗によって打ち消されているといわれています。この空気抵抗を減らすには自分の前を走っている人の背中に隠れるようにして走ることが大切な技術になるのです。これをドラフティングといいます。

この空気抵抗を減らすためには前に人がいて、次々に選手が交代しながら先頭を譲り合って走ることで一人あたりの空気抵抗を減らすことができます。これがローテーションという走り方なのですが、このローレーションを行うにはそれなりに息の合った選手が何人かいる必要があります。欲を言えば多いほど効果が高くなるのです。

この空気抵抗がイギリスを抑えることに非常に大きな意味を持ちました。なんと最初に逃げた12名の逃げ集団が距離を走るごとに人数を増やしていき、ついにはボックスヒル最終回では32名にもなっていました。これらの選手はイギリスを封じ込めるためにお互いに協力し合いローテーションを行って走る続けたのです。

対してイギリスのほうはというと最後に全力で走るためのカベンディッシュを除いた4名のイギリス人選手がローテーションを行って逃げ集団を追いかける必要があったのです。メイン集団ではイギリスを有利にしたくないため、また自国の選手が逃げ集団に入っているためにこのローテーションには誰も手を貸しませんでした。

イギリスの選手たちは一人一人が飛びぬけ戦い実力を持つ4名でありましたが、さすがに世界中のエースたちが協力して32名という大集団で逃げているため追いつくことができませんでした。しかし、この逃げ集団でも全員がギリギリの走りを続けていたため、終盤には脚を使い果たしてきていました。

そこで残り8kmというところで飛び出した2人の選手がいましたが、逃げ集団はこの2人に追いつくことができず、メイン集団もついには追いつかず優勝は2人のどちらかになりました。一人は若干25歳のリゴベルト・ウランと今年で引退すると表明していた38歳のアレクサンドル・ヴィノクロフです。最後は後ろの状況を確認しようとしたウランの一瞬の隙をついてヴィノクロフがスプリントを制し優勝となりました。

ヴィノクロフといえばカザフスタンの英雄で軍人でもあります。今回の優勝を機に現役を続行するようにさせられる可能性も出てきましたが、何はともあれオリンピックという大舞台で金メダルを獲得したというのは花道としてはできすぎるくらいでしょう。後はドーピングに引っかからないことを祈るのみです。

優勝おめでとうございます。

さて、気になるのは途中で謎の落車をしてしまったカンチェラーラです。タイムトライアルスペシャリストとして世界一とも名高い選手で、今回のロードレースでもこのような展開では優勝に最も近い一人であったのですが、途中で落車してしまいました。今年初めにも落車によって鎖骨骨折をしてしまったので、心配です。水曜日にはタイムトライアルがあるので、元気に走る姿を見せてほしいと願っています。