ロードバイクのフレームが進化しない理由

フレームの形

日本で自転車の形(シルエット)といえばママチャリになってしまいますが、ロードバイクの形といわれれば前輪と後輪で三角形が2つついたダイヤモンドフレームをイメージするでしょう。

ダイヤモンドフレーム

これは当然、今のロードバイクの形がこのダイヤモンドフレームに収まっているからです。しかし、一時期はもっと奇抜ないろいろな形のフレームが登場していました。そしてこんな形なのに速かった。

ダイヤモンドフレームではないフレーム(エスパーダ)

なぜ、このようなヘンテコであり、しかし速く走れるフレームがなくなってしまったのか。それは「UCIレースではダイヤモンドフレームしか使用できない」という規則があるからです。

UCIというのは国際自転車競技連合の頭文字をとってきたものですが、なぜわざわざフレームの形にまで注文を出しているのでしょうか。これは以前このように書いてあるのを読んでなるほどと思いました。

もともと自転車はヨーロッパでは非常に盛んで、ロードバイクも大きなメーカー以外にもたくさんの小規模メーカーが家族経営的に作っているそうです。実際、アウグーリオで話を聞くと本場イタリアなどでは個人のショップでロードバイクのフレームとして売っているフレームはそのショップで作ったフレームばかりだそうです。よく「海外に行けばピナレロやコロナゴ、ビアンキなどの有名メーカーのフレームが安く手に入るのか」と聞いてくる人がいるそうですが、一概にそうは言えないようです。

このように小規模メーカーがそれぞれフレームを作っているのですが、もしこれまでのような伝統的なダイヤモンドフレーム以外の形のロードバイクが主流になってしまうと、そのようなものは資金力のある大手にしか作られなくなってしまい、経営が成り立たななくなってしまうという理由でダイヤモンドフレームのみと規定したと聞きました。

その時は「なるほど、そういう理由があったのか」とUCIの判断に納得していたのですが、実はこのような理由とは違った理由も存在するようです。

それはみんなのためを思っての行動ではなく、「メンツ」の問題だというのです。

ロードバイクのレースなどにはいろいろな種類がありますが、その中の一つの種目に「アワーレコード」というものがあります。これは「1時間走ってどのくらいの距離を進めるか」というもので、いわゆる世界最速を決定づける性質を持っています。わずか1mでも前に進んでいたものがより速いと照明されるわけですからごまかしようがありません。

このアワーレコードに使用されるロードバイクのフレームはもともと規定がありませんでしたが、現在はこちらもダイヤモンドフレームのみとなっています。なぜか。それは小規模メーカーを守るためなどではなく、アマチュアのおっちゃんが壊れた洗濯機のベアリングなどを流用して世界最速の記録を塗り替えてしまったからだそうです(参考リンク)。

要するに、プロでもない選手に廃品利用の自転車で世界最速の記録を塗り替えられ、顔に泥を塗られた形となった当時のUCI会長の一存による変更だったそうです。この決定が現在でもダイヤモンドフレームのみという規定につながっているというのですから、世の中どうなるかわかりません。

さて、ロードバイクというのは「舗装路をいかに早く走るか」のみを追求して作られてきたものであり、これからもそれを追求していくべきものです。しかし、現状ではダイヤモンドフレームのみと決められてしまっているため、例えば重量や空気抵抗(エアロ)などをせいぜい考えて小さな修正を繰り返していくのみとなっています。ですが速く走るならばもっと違う形のフレームを模索していく必要があります。

廃品利用で作ったものが世界最速(当時の記録)を塗り替えることができるならば、もうちょっとプロのレースでいろんな形のフレームが走る姿を見てみたいと思いました。逆にそうしなければこれ以上のフレームの進化というのが阻害されてしまうのではないかなと思いました。

もっともあまりにも奇抜なフレームだと作り手もそうですが、買うほうも高値で買えないとなってしまっては困ってしまうでしょうけれども。そこらへんのことも考えてUCIは行動してくれないかなと思います。