ロードバイクで初めて100kmライドを走った思い出

琵琶湖へ向かって

ロードバイクに乗り始めてしばらくしたころのお話です。

もともとロードバイクは舗装された道路を速く快適に走るために作られた乗り物です。そのため、使用方法は「レース」で競争に使うか、ロングライドで遠くまで走りに行くかが基本となります。

しかし、まだ遠くまで行ったことのないときには「距離を走る」と聞いただけで「無理無理」と思ってしまうものです。

実際、ロードバイクを購入して初めてスポーツ車専門のショップに行ったときに「もう遠くまで走りに行きましたが?」と聞かれたときには、「この店員は何を言っているんだろう。自転車でそんな遠くまで走りに行けるわけがないだろう」と本気で思ってしまいました。

さて、このようにロードバイク初心者のうちは長距離走にかなり抵抗があるものですが、その中でも100km越えというのは一つの区切りになると思います。そこで、自分が初めて100kmを越えるロングライドに出かけたと気のことを思い出して少し書いてみようかと思います。

まず、この時使用したバイクはアルミフレーム(A1800)でまだフラットペダルでした。また、レーパンは持っていたのですがサイクルジャージは持っておらず、普通のTシャツを着て財布などの荷物はウエストポーチに入れて走っていました。

目的地は大阪を抜けて北上していき琵琶湖のほとりまで行くことにしました。ほとんど地理がわからないので行きも帰りも同じ道を通ることにして、片道50kmでちょうど往復で100kmという計算になりました。

時期はちょうど梅雨が明けたくらいのちょうどいい晴れ間の日でした。朝の8時ごろに出発。

大阪の町中のごちゃごちゃした道を何とか潜り抜けるように走り、絶対迷わないようにと交通量が非常に多いですが一本道になる1号線を通ることにします。ちょうどこの時、途中から同じようにロードバイクに乗った人が走っており、その人の後を追っかけるように走っていたのを覚えています。だいたい27km/h位で巡航。当時はこれでもかなりいいペースで走っている感じで、どんどん体のカロリーを消費しているように感じました。

1号線をどんどんと北上していくと久御山Jctがあります。琵琶湖へはここから北東の方向に進めばつくのですが、実際の道路はそのように走っているわけではありませんでした。自転車にはサイコンはついていましたが、GPSのたぐいのものは持っていなかったため、事前に印刷しておいた地図のプリントを何度も何度も見て確認してクネクネと曲がりながら進んでいきました。

大阪から京都まではほとんど平坦路でしたがこの辺りは少し登りになっています。全く知らない道を自転車で登るというのがこれほど不安で精神的に疲れるものなのかとこの時初めて認識することになりました。

しかし、前に進んでいる限りは必ずゴールにたどり着くものです。やっとの思いで琵琶湖が見えてきたときには何とも言えぬ達成感がありました。「本当に自転車でここまで来れるとは」と感動したくらいです。

琵琶湖につけばそれでOKなのですぐ近くにあったなぎさ公園で一休み。ベンチに腰かけて休んでいましたがもうすぐ昼になるので少し早めに昼食をとることにしました。どこかに食べに入ろうかなとも思いましたが、おいしい店も知らずロードバイクを置いてのんびり食事という気分にもなれなかったので、近くのコンビニで弁当やパンなどエネルギーになりそうなものをたくさん買い込んで公園のベンチで食べることにしました。

大失敗

なぎさ公園

食事を始めたのが11時半くらいでしょうか。今でもこの時の行動を後悔しています。なんでお店に入らなかったのか、違う場所で食べなかったのかと。

というのはベンチに座って食事をしていると知らないおじさんが話しかけてきたのです。「いい自転車だね」とロードバイク乗りにとって最上級の褒め言葉をかけてくれたのです。

どうやら地元の人らしいのですがこの方はオートバイが趣味のようです。大きなビッグスクーターのようなバイクをベンチの近くにおいて少し話を使用ということになり、たくさんの食べ物があるので食べながら話をすることにしました。

いろんな話をしました。自転車のこと、バイクのこと、琵琶湖の花火大会のこと。しかし、私はとうに食事を終えたのですがおじさんは自分のバイクを雑巾でピカピカに磨き上げながら楽しそうに話を続けています。「ふんふん」「そうですか」「なるほど」と相槌を打ちながら話を聞いていましたが、いくらなんでも話が長すぎました。もうすぐ終わるだろうと思って聞いていたのですが、結局話は終わらず、私から切り上げるまでずっとしゃべり続けていたのです。

正直なところ行きの50kmで私の体力はかなり消費していました。食事をしてベンチで休んでさっさと帰路に就く予定だったのですが、琵琶湖をたったのが1時半ほど。実に2時間近くおじさんは話を続けていたのです。しかも、座ったベンチの位置が悪かったのです。ちょっと食事のつもりだったので日向にあるベンチに座っていたので、2時間もの間、雲一つない空の下で太陽の光を浴び続けたのです。

これは基本インドアで梅雨が明けたばかりの私の体にはこたえました。皮膚が真っ赤になって火照っています。これはまずい、さっさと帰ろうと走り始めたのですが体が重い。走り始めてすぐに自転車をこぐのがつらくなってきました。

火照った体で意識がもうろうとしているところに、さらに悪いことが起こりました。初めてのロングライドで今までに経験したことがないくらいお尻が痛くなってきたのです。この当時使っていたサドルは私のお尻には全く合わず、すぐに痛くなっていたのですが、この時はそこまでの距離を走ったことが無くこんなに痛くなるということを知らなかったのです。

脚は回らない、お尻はいたく自転車に乗っていられない、しかも日焼けで体力がどんどんなくなってくという最悪な状態で、それでも何とか帰ろうと一歩一歩前進するかのようにのろのろと進んでいきました。

途中からは10分走ったら休憩をするといった調子だったのですが、1号線の途中からは歩道すらなくなり、交通量の遅い車道をフラフラになりながら走る羽目になってしまいました。結局身も心もボロボロになって家にたどり着いたときには6時を過ぎていました。

朝の8時に家を出たわけですから実に10時間も太陽の光を浴び続けたことになります。100kmを10時間、今から考えるとそんなに時間がかかったのかと驚くばかりです。

また、この時の日焼けは相当ひどく、全身が重症の火傷状態になってしまい、完治するまでに1か月ほどかかってしまいました。最初の1週間などはまともに生活できないくらいの痛みや熱があり大変だったのを覚えています。

こうやって今から思い返してみると初めての100kmライドは大失敗だったなと思いました。しかし、普通ならばこんな大変な目に合えば二度と自転車に乗らないといいそうなものですが、今も楽しく乗っていることを考えると何か感じるところがあったのかもしれません。ですが、初心者の人には「100km走るのは大変だよ、なめたらいけない。」とアドバイスしていこうと思いました。