初200kmライド:ルートを変更して高野山にアタック編

ルート変更

この記事には前の話がありますので、先にそちらをご覧ください。

初200ライド:大阪~和歌山城・紀ノ川編

さて、2回目のコンビニで休憩して時間を確認すると午前9時半ごろでした。この時点で出発から休憩を入れて約4時間で90km程度のペースです。この日の目的は160km程度ということもあり、気持ちにはだいぶ余裕がありました。

しかし、朝の天気とはうって変わってかんかん照りとなっており、若干体に熱がこもったような感じもしていました。休憩で少しマシになりましたが、まだ万全ではないようでしたので、引き続きペースを抑えて向かい風の中を25km/hほどで進んでいくことにしました。

ですが、この目論見はすぐに消え去ってしまいました。というのも出発してすぐに後ろから一人のロードバイク乗りが現れたのです。私を追いついたその人は「こんにちは」と気持ちよくあいさつをしてくれました。私もあいさつをして彼の走りを見ると、スピードは出していませんでしたがブレのない走りで速そうだなと感じ、「お先にどうぞ」と道を譲ります。

颯爽と抜いていったので、私は追いつくことはないだろうと考えていました。しかし、彼もそこまでスピードを出して走っているわけではなかったため、少しあるアップダウンの下りを利用すると追いつくことができました。そこで、今までマイペースに進んでいましたがこの先の道もはっきりと走らないため、おそらく地元民であろう彼の背中をこっそりと追っていくことにしたのです。

だいたいペースを合わせて少し間隔をあけてついていくようにするとスピードは30km/h位になっていました。変わらず向かい風のため心拍数は上がり始めますが、そのまま走ることにします。すると、車道を離れて自転車道のようなところに入っていったので、私もついていきました。初めて走る道はこの自転車道がどこまで整備されて続いているのかが分からなかったのですが、とりあえずロードバイクで走り抜けることのできるコースのようです。助かりました。

紀ノ川そばの自転車道からの風景

自転車道は左手に紀ノ川があり、右手には山の斜面がきれいに見えています。相変わらずここでも向かい風でしたが、きれいな景色を見ながら走ることができ気分がよくなってきます。

しかし、この自転車道は結構続くようなのでいったいどのくらいあるのか気になりました。そこで前を走っているロードバイク乗りに声をかけることにします。

「この道はどこまで続いているのですか」という質問に対して前を走っていたKさんは嫌そうなそぶりを見せずに答えてくれました。その後「どこから来られたのですか?」と質問し返されたので一緒に走りながらいろいろと話をすることになりました。

どうやらKさんは岩出の人らしく特に行き先を決めずに走っていたようです。ロードバイク歴はかれこれ16年ほどにもなるといいます。道理で速いはずです。この自転車道では人っ子一人いなかったため、2人で並んで話しているとせっかくだから一緒に走りに行きませんかとお誘いを受けました。

とはいっても元々160km走る予定であまり遠くには行けそうにもありません。そうしようかと考えていたのですが、高野山にでも行ってみませんかと言われました。高野山は頂上の大門まで登るだけでおそらく20kmほどになるはずです。登って下れば+40kmになり、この日の走行距離が200kmを越えてしまいそうだなと瞬時に計算しました。

一番の問題は私が今までに200km走ったことが無いということです。大丈夫だろうかと考えましたが、この時点で時間は10時ごろで、ここまでペースを抑えて走ってきたこともあり何とかいけるのではないかと判断しました。それにいつもは一人で走るばかりですので、せっかく誘ってもらったのだからご一緒したいという気持ちもありました。

そこで「わかりました。高野山行きましょう」と答えて一緒に行くことにしました。高野山の登りは私は今まで370号線と371号線からしか行ったことが無かったので、それを伝えるとせっかくならば走ったことが無い480号線から行ってみようかということになりました。

そうと決まれば480号線まではまだ少し距離があります。まずはそこに向かうことになります。しかし、誤算はここから始まっていました。途中で自転車道は途切れており車道に合流したのです。

Kさんが私の前を走ってくれていたのですがここからペースアップして向かい風の中を35km/hで進み始めたのです。完全に真正面からの向かい風ではないのかKさんの後ろにぴったりと張り付いてもこのペースは私にはきつかったです。今までののんびりペースとのギャップも大きかったため、平坦を走っているだけで脚を攣るかと思ってしまいました。

480号線まではずっとそのペースを維持してKさんは走り続けます。なんで向かい風の中でそんなペースが維持できるのか私には理解できませんでしたが、見た感じ特に疲れるような感じもなく楽々と走っているようでした。私とは走りのレベルが違いますね。

息も絶え絶えで、何とか後ろについていきようやく480号線に到着。ここで右折してすぐに登りが開始されました。

私はいつも登りはしんどくないように淡々と一定ペースでシッティングで登ります。しかし、Kさんは登りが始まるとすぐに軽やかなダンシングに切り替えてテンポよく登り始めました。

予想通り、登りも私よりも圧倒的に速かったです。しかし、一緒に登ろうといった手前、早々にちぎれてしまうというのも悲しい話なので、何とかついていこうと努力します。慣れないダンシングで坂道を18km/hで登っていきました。

それでもKさんのほうが速いため、だんだんと姿が離れていきます。それでも明らかにゆっくりと登っているのだろうというのが伝わってきましたので、何とかその後ろ姿を見失わない程度に上ろうと必死になってダンシングを繰り返していました。

しかし、ここでは常に心拍数が190を超えるペースで次第に頭に血が上らないような感じまでしてきました。だんだん辛くなってきたころにふと目に留まった看板に「高野山あと18km」と書かれているのを見た瞬間、ギブアップです。このペースでは絶対に持たないため、ギアを軽くしてスピードを落として登るように変更しました。それまでかろうじてカーブを曲がれば見えていたKさんの姿は、そのあたりから視認することすらできなくなってしまいました。

登りはまだまだ続きます。一枚ずつギアを軽くしていき、ついには一番軽いインナーローを使って登り続けます。それでも頭がボーとして気分が沈んできます。知らない登りはこの坂がどこまで続いているのかが全く分からないため精神的にもきつかったです。

しかし、幸いなことに370号線の登りならばずっと同じような勾配で登り続けるところを、480号線では下り区間もありました。そこでは息を整え、心拍を落ち着けるようにして体を休めて再び来るであろう登りに備えて走ることにしました。

平坦区間でも20km/h出ていないのではないかというようなよろよろした走りでしたが、ここで一度先行していたKさんと合流します。交通量の少ない道を使って左右に蛇行しながら遅い私を待っていてくれたようです。

ですが、その後再び坂道に突入するとまたすぐにKさんの姿は見えなくなってしまいました。申し訳ないと思いつつも、追いつくことは不可能であると考えマイペースにシッティングで登っていきます。

途中で370号線と合流する交差点があり、そこでKさんが自転車を停めて私を待ってくれていました。私もフラフラになりながら到着し、少し休憩することにしました。

ゼーゼーいいながらあまりの暑さに気が狂いそうになります。一番の問題は高野山ですら20℃近い気温があり、快晴の天気の下でヒートテックのインナーを着ていることが問題でした。朝出発するときは気温が低かったため、これくらいでちょうどいいかと思っていたのですが、もうこの時期からは暑くて走れたものではないなと実感しました。

そこでたるんだ肉体を露出することもためらわず、サイクルジャージを脱いで下のインナーを脱ぎ去ることにしました。これでかなり楽になったように思います。

しばらくは自販機でジュースを買って飲みほし、体を休めながら自転車の話をしていました。10分以上休憩していたのではないでしょうか。「大丈夫か?」と心配もされましたが、ここまで来たらせっかくなので頂上まで行くことにして再度走り始めました。

ヒートテックを脱いだおかげか、登り始めても心拍数は160~170程度でした。それまでは常に190を超える心拍数でしたので、どれほどヒートテックが体を痛めつけていたのかがよくわかります。これで少しは楽だろうと思っていましたが、もう体は限界に達していたようです。休憩したポイントから頂上の大門までは距離7.4km程度で勾配も少し緩やかになるのですが、この区間を登るだけでも苦労しました。インナーローを使って10km/hで走っていても体はどんどん動かなくなり、何度か足をつくことを本気で考えてしまったくらいです。

情けないな~と思いながらも、ヒートテックが悪いと責任をすべて服装のせいにして頭をからっぽにした状態で登り続けようとします。しかし、カーブを一つ曲がるたびに「もうゴールではないかな」という考えが頭をかすめて「違った、まだ先があるのか」という絶望を感じながら進んでいきました。

ようやくゴールしたときにはすでに到着していたKさんから「遅かったので心配していたところだった」と言われました。聞くとKさんはこの道を20km/h位で登っていたようです。単純に私の半分の時間で登っていることになるのでかなり待たせたようです。すでに観光客から3回もカメラのシャッターを切るようにお願いされたと聞きました。

頂上に来てもすぐに降りる気にもなれないほど疲れていたため、しばし記念写真でも取りながら休憩を取ることにします。

大門前での記念写真

デローザのチタンフレームという渋いロードバイクを颯爽と乗りこなす姿が非常に格好良かったです。連絡先も交換しておきました。

ここでもいろいろと話をして体を休めてから元来た道を下ることにします。と言っても途中の交差点では登ってきたのとは違う道の370号線を下ることにしました。今度は私が先行して下っていき後ろにKさんがつくようにして出発します。

いつも通り、ここの下りは遅い車につかまってしまいます。安全運転スピードで下っていきますが、370号線になると車は減り、下りのスピードは増していきました。

しばらくは下りのスピード感を楽しみながらも対向車などに気を付けて走っていたのですが、ふと後ろを振り返るとKさんの姿が見当たりません。どこに行ったのか、交差点で違う方向に降りて行ったのかといろいろ考えましたが、走っている最中ならば先ほど聞いた携帯番号に電話しても出れるはずもないので、とりあえず下れるところまでは下りきるようにしました。

約20kmの下りを楽しんだ後、最後のほうである自販機の前に停車しているとじきにKさんが下ってきました。どうやら下りの途中で寒さを感じてウインドブレーカーを羽織っていたようです。

登りでは大きく遅れてしまいましたが、Kさんに「下りうまいね」と言っていただけたのがうれしかったです。まあ、私は体重が重いのでスピードが出やすいのもあるのでしょうが。

九度山まで来て交差点のところで私は右折、Kさんは左折してそれぞれの帰路につくことになりました。一緒に走ったとは言えないくらい遅くて申し訳なかったですが、たくさんの話を聞いて、上手な走りも見れたので私は非常に楽しかったです。

さて、遠足は家に帰るまでという言葉がありますが、私のロングライドもここでは終わりません。体力すっからかんのここから再び向かい風の中を走ることになりました。次に続きます。