下りの落車を回避したら平地で落車してしまった高野山ロングライド

危険な下り

前回からの続きです。

高野山にたどり着いたのが朝の8時ごろでした。この日の目的はとりあえず高野山まで登って、元気があれば護摩壇山まで行こうかなというアバウトなものでした。

しかし、この8時という時間にも関わらず高野山でも日光が当たる部分は非常に暑さを感じます。もちろん木陰でゆっくりしている分には問題ないのですが、以前護摩壇山に行ったときはあまり日陰の道ではなかったような記憶があり、また、これから暑い中を帰らないといけないということもあり、この日は護摩壇山はあきらめて帰路につくことにします。

ですが、単に登ってきたところを引き返して下るだけではつまらないだろうと思い、登りとは別の371号線を通って下ることにしました。

高野山の371号線頂上

この371号線は途中に川のそばを通ったり、左右が木で覆われている道で景色を見ながら走ると心が癒されます。しかし、欠点もあり、道が細く荒れたところもあり、その割に車が結構登ってくるためブラインドコーナーからくる対向車に気を使って走らなければなりません。何より今まで走った2回のうち、1度目はカーブを曲がった時に対向車に当たりかけ、2度目は落車してしまったという嫌な経験があります。下る際には十分に注意を払いながら下って行かなければなりませんでした。

8時過ぎから下り始めると思ったよりも木で日差しが遮られています。そこで対向車の危険を少しでも減らそうと念のためにライトを点滅させておきました。また、ブレーキを多用せざるを得ず常に下ハンを握ってスピードコントロールして走ります。

そのため、下りにも関わらずスピードはあまりあげられませんでした。どうもこの道は景色を見ながらのんびりとポタリングする分にはいいですが、スピードを求めて走りたい場合には不向きなコースだなと思いました。暑さを避けるためには登ってきた道をササッと下って行った方がよかったかなと思います。しかし、その分日影が涼しく走りやすいため、涼しい環境で走りたいという当初の目標は達成できているなとも思いました。

この道はずっと下り続けるわけでもなく途中で結構な距離を登らなければなりません。以前落車したときはこの道を下から登ってきて途中の下り区間で転倒してしまいました。そのため、今回は落車したポイントと登りで遭遇することになります。

どの辺だったかなと思いながら走っていると「あっ、ここに間違いない」と落車ポイントを発見しました。道の真ん中があれており、半円形とでもいうようなくぼみがありました。ここでタイヤを取られてしまいこけてしまったようです。改めて見ると思っていたよりも少し小さなくぼみで、この程度でもこけてしまうのだなとと思いました。気を付けなければなりません。

そんなことを考えてゆっくり走っているとようやく下界に降りてきました。370号線に合流したときには時刻は9時を回っており、高野山から1時間かかったことになります。思ったよりも時間がかかってしまいました。

そして、ここからは直射日光の中を走ることになります。当然気温も上がっており、体感的には371号線から370号線に入ったあたりで10℃から15℃くらいは暑くなってしまったのではないかと思うくらいでした。とりあえず370号線から55号線を通って北東に進んでいきます。24号線を通ると結構なアップダウンがありますが、この55号線ではおおむね平坦の道が続いているので助かりました。

途中で左折して24号線に入り、310号線を目指します。行きは紀見峠を通りましたが、帰りは金剛トンネル(奈良側)を登っていくことにしました。その前にコンビニ休憩でドリンクのほかにシュークリームとアイスを購入し店内で食べておきます。これが2度目の休憩でした。この時はまだまだ体は元気だと思っていたのです。

店内で少し長めに休憩したため再出発は10時ごろとなりました。金剛トンネルさえ越えれば後は下って平地を通るだけで家まで帰れます。颯爽とスタートを切って走り始めます。

しかし、最初こそ16km/h程度で淡々と登っていたのですが、次第に速度が落ちてきてしまいます。13km/hになりまだ行けるだろうと思っていたのですが、さらに10km/hにまで低下してしまいここでようやく体がおかしいと思い始めます。

金剛トンネル(奈良側)は思った以上に日光が当たるエリアが多いようです。まだ午前中で東の方にある太陽がちょうど登っている私の背中に照り付け続けます。非常に暑いのですがどうしようもありません。我慢して登っていたのですが、ついにギブアップしてしまいました。

8km/hを切るくらいまで落ちても心拍数が下がることなく、頭から水をかけつつ一歩一歩進むようにペダルを回します。しかし、水をかけても涼しいとすら感じられず、ついには笑いが込み上げてきたほどです。

ここまでゆっくりになってしまうといつもよりも周りのものがよく目に留まるようになります。この道ではガードレールの上に310号線と書かれた小さな標識に頂上までの残り距離を100m単位で書いています。いつもならばそんなものを気にせずペダルを回しているのですが、この日はその標識にものすごく意識を持っていかれました。特にスピードが低下してしまった11の数字(残り1.1km)からはとてつもなく長い道のりに感じられました。

ようやく、トンネルまでたどり着きトンネルを抜けた先で一度休憩することにしました。しかし、木陰で座っているのに体の中の熱がいつまでたっても冷めません。これは確実に熱中症になっているなと思いました。もっとゆっくり休憩してから走り出したかったのですが、なぜか高野山のときと同じようにハチのような虫が体の近くを飛び始めたためあわてて出発することにしました。何か虫を引き寄せるフェロモンでも出ているのかと思ったくらいです。

下り始めたのはいいものの、ボトルはすでに空になっていたため観心寺前の自販機で休憩します。缶ジュースを後頭部に当てて少しでも体を冷まそうと試みます。しかし、ベンチに座っていると店のおっさんが出てきて、「ここに座るな」などと言ってきます。休憩は十分ではなかったのですが、出発することに。

しかし、後から考えるとこれが失敗につながってしまいました。暑くてフラフラですが、310号線を下り、石川サイクルラインにまで出てくると風が追い風になり、疲れた体でもそれなりにスピードが出てくれたのです。そこで、この風に乗ってさっさと帰ってしまおうと思ったのです。

ですが、思考力の低下した状態で走っていると注意力もおろそかになってしまいました。せっかく高野山からの下りで落車に気を付けて走っていたのに、石川サイクルラインのS字カーブの地面に大量の砂があるところで砂にタイヤを滑らせてしまいそのまま転倒してしまいました。まさか注意していた落車がこんな平坦なところで起こるとは思いもしていませんでした。反省です。

左膝からは血を垂れ流し、ジャージとグローブはズタズタに破れてしまっていましたが、何とか走れることはできるため、自転車にまたがりトロトロと走り始めました。しかし、そこでも絶え間なく日光が降り注ぎ、家に帰宅して怪我の手当てをした後も一日中体から熱が取れませんでした。

落車と熱中症という夏のロングライドでやってはいけないことをダブルで経験してしまい身も心もボロボロになってしまいました。こう暑いときには車か電車で山まで行ってから涼しいところだけヒルクライムを楽しむというほうがいいのかもしれません。いろいろ反省しなければいけないことが多いロングライドになってしまったなと思いました。