皆既月食を見ながらのナイトライドin堺浜

皆既月食

2014年10月8日はいつも通りの一日として始まりました。しかし、この日が普段と違うのは夜に異変が起こるということです。その異変というのが太陽と月の間に地球が入り込み、月面の光を消してしまうという皆既月食でした。

この皆既月食のことを私は全く知りませんでした。しかし、当日になって人から教えてもらいます。ちょうど皆既月食が起こる時刻というのが7時から前後30分間ということでした。ちょうどこの日が水曜日ということもあり、夕方から時間が取れるため皆既月食が見られそうだったので、せっかくならとロードバイクに乗って走りながらこのお月様を観察してみることにしました。

夕方7時に家を出ます。行き先をどうしようかと悩みました。以前中秋の名月を見るために走りに行ったときには葡萄坂に行っていました。しかし、葡萄坂では場所によって月が見えたり見えなかったりしてしまいました。満月を見るだけならばそれでもかまいませんが、皆既月食の場合は時間の変化とともに月食部分も変化していきます。そこで、走りながら常に月が見える場所ということで堺浜に行ってみることにしました。

行く途中もロードバイクに乗りながら月を探します。どこにあるのかと思ったら東の空にお月様が出ていました。月食が始まるのが7時よりも前だったため、出発時点ですでに月食は始まっていました。ちょうど7割ほど影っています。と言っても光が消えて新月のようになるのではなく、淡い赤色に光るようで、何とも不思議な感じがしました。

堺浜に行く途中、いろいろな人が同じように月を見上げてします。歩行者はもちろんのこと、車の中から見ている人もいれば、居酒屋の店員が店から出てきて空を見上げていました。また、大和川などの建物が無いところでは一眼レフカメラを三脚につけて写真を撮影している人もいます。きっと堺浜に行けば私と同じように月を見ながら走っているロードバイク乗りもいることだろうと思っていました。

堺浜に着いたのは7時20分ほどだったでしょうか。もうすでに月は地球の影に収まってしまっているようで、月面は赤黒く変色していました。いつもとは違う姿のお月様でしたが、正直このころになるともう見飽きてしまっている感じもしてしまいました。そのまま、改めて月を見ることもなく堺浜の周回コースを走り始めました。

きっといるだろうと思っていたロードバイク乗りの姿は全くありませんでした。一人さびしく走ります。数日前に走った時にはいい感じの追い風があったのですが、この日はいきなり向かい風から始まりました。壊れていた心拍計を応急処置して使っていましたが、心拍が高い割にスピードに乗ってくれません。

西側の海沿いエリアにやってきます。ここにはいつもよりも人影がありました。どうやら堺浜に皆既月食を見に来た人はここから見ているようです。来る前はもしかして車が数多く停まっている可能性もあるなと考えていたのですが、車とオートバイが半々ほどでした。意外と一人でバイクに乗ってきている人が多かったようです。

そんな中をゼーゼーいいながら走り続けます。停車している車をよけバイクを避け、道の真ん中で夢中になって写真を撮っている人を避け走ります。ですが、この日は風向きが悪かったようです。堺浜1周のうち、風の抵抗を感じるのが4分の3以上あり、非常に疲れてしまいました。というか、1周走りきる前に「なんで平日の夜にこんなことをしているのか」という自問自答の末、頭の中は「もう月食も見たし帰ろうか」という思いでいっぱいになってしまいます。

1周走り終えた時点でもういいかという思いが非常に強くなってしまっていました。が、わざわざここまで来て1周だけというのももったいなかろうと思い直し、もう少しだけ走ることにします。2周目からはもう少しペースを下げて走ることにしました。

ペースは心拍計の数値を見ながらコントロールします。しかし、もし速く走れるようになりたければ心拍数など気にせずに全力で走るほうが練習にはなるんだろうなと思います。心拍計が壊れていた前回の日曜日のように自分よりも速い人を見つけて追いかけられれば良かったのですが、誰もいないので仕方がありません。自分一人では全く頑張れないなと思いつつ、月を見ながら一定ペースで走り続けます。

走っている時はどうでもいいようなことを考えたりもしていました。この時は、その日の昼にあった人のことを思い出していました。エホバの証人がパンフレットを片手に「信じれば死から解放されるということがここに書かれています」と言って渡してきたのですが、彼らにはこの皆既月食は幸運の証か不吉の前兆どちらに見えているのだろうと思ってしまいました。

2周目を終え、さらに強くなった帰りたい気持ちを抑えて最後にもう1周だけ走ることにしました。なるべく風の影響を少なくするように上体を下げてペダルを漕ぎます。しかし、あまり「これだ」というフォームを見つけられませんでした。無駄に風を受けながら気持ちが切れて停止します。

皆既月食

一応この時に写真でも取っておこうかとパシャリとシャッターを切りました。ですが、やはりスマホのカメラでは夜の撮影はうまくいきません。こういう時にはもう少しいいカメラがほしいなと思ってしまいます。

写真を撮って休憩してから帰るつもりでロードバイクにまたがると、なぜかもう1周だけ走っておこうかという気になりました。そこでプラス1周だけしておくことにします。最後だということでギアを一番重くして低ケイデンスでトルクをかけながら走ってみました。筋トレ替わりになるかなと思ったのですが、本来もう少し勾配があるところでやるべきだそうで意味があったのかはわかりません。が、気分的にそれなりの満足感が得られたのでよかったのでしょう。

家に帰る途中からは月食が終わりに近づいているようで、どんどんと黄色の光が月に戻っていきます。家についたころにはもうすっかりと普段の姿に戻ってしまっていました。なかなか夜走ることもありませんでしたが、いい口実になってくれました。まだ寒さもマシなので年内にもう一度くらいは夜ライドをしてみようかなと思います。