亡くなった祖母に捧げる高野山ライド

2年ぶりの高野山

今年の4月に田舎に住む祖母が亡くなりました。家族で田舎に行き葬式を行ったのですが、その時に祖母の家では代々真言宗で葬式をしていたということを知ります。そこで「真言宗と言えば高野山か。ならばあさんを天国に送るために今度ロードバイクで高野山に登りに行こうかな」と考えました。

が、なんだかんだで4月中に高野山には行けていませんでした。気温が上がり暑くなってしまうと行く気が起こらないのは分かっていたので、何とか5月中には行っておこうと思っていました。そして、5月10日の日曜日、なぜか自然起床で3時に目が醒めたので、この日走りに行くことにします。

準備を整えて、4時20分に出発します。この時間はまだ肌寒いくらいなかのスタートとなりました。とりあえず高野山に向かうには最短コースとなる310号線から紀見峠を越えるルートを行くことにします。

が、310号線を走っている間、どうにも調子の悪さを感じます。多少向かい風でもあったのですが、ゆっくり目に走っているにも関わらずしんどい感じがしており、心拍数も高めに出ています。また、スタートした時点からお尻に痛みがあり、どうにも気分が乗りません。

しかも、肉体面だけでなく機材面でも不安がありました。出発前に空気を入れたはずなのですが、なぜかタイヤから空気がだんだんと減っていってしまっていたのです。実は先日葛城山に行ったときにも空気が抜けていっていました。その時は後輪の空気が抜けていたので、その後シーラント剤を入れておいたのです。が、なぜか今回は前輪からも空気が抜けていってしまっていました。

信号待ちのたびにタイヤを触り、空気圧を確認し、バルブが閉まっているかも確認します。バルブはきっちりとしまっていたのでスローパンクでもしたのだろうかと心配になってきます。とりあえず、しばらくは持ちそうだったのでとりあえず紀見峠にまで行ってからどうするか考えることにしました。

310号線から371号線を通って紀見峠を目指して走っていきます。なるべく体力を消耗しないようにペース配分をしながら進んでいきました。371号線から側道に入り、紀見峠を淡々と登っていきます。

空気圧の抜けたタイヤでの紀見峠

5時40分ごろに紀見峠へ到着。さっそく前輪を触ってみるとどうも4気圧以下になっていそうなくらい空気圧が下がっていました。が、走りながら考えていたのですが、前日までの様子からパンクの可能性は低いのではないかと予想を立てていました。とりあえず空気を入れなおしてみて様子を見ることにします。

久しぶりに携帯ポンプで空気を入れていきます。100プッシュくらいしてタイヤを触ってみると5.5気圧くらいは入っていそうな感じでした。チューブレスタイヤを使っているということもあるので、とりあえずこれで先に進んでみることにします。高野山のふもとの九度山に行ったときにさらに抜けているようならばスパッと諦めて帰ろうと考えて、紀見峠を下っていきます。

ここからの下りはものすごく寒かったです。電光掲示板を見ると気温が10℃となっていました。寒いはずです。が、峠を下って371号線へと出てくるとさらに驚くことがありました。ものすごい霧が出ていたのです。

100m先は全く見えないくらいの霧が発生しています。まあこれくらいならばこの時間なら交通量も少ないし大丈夫だろうと下っていきます。霧の中を走るのは私は初めての経験でしたが、思った以上に厄介でした。というのも霧の細かい水滴がメガネのレンズについてしまったからです。

雨のような大きな水滴とは違い、細かい点のような滴は、まるで何年も放置してほこりが積もったメガネのように見えづらくなってしまいました。何度もジャージのすそでレンズを拭きながら進んでいきます。しばらく下って紀ノ川を渡るときなどは川の対岸が真っ白で先が見えない状態で、なんだか別世界にやってきたような感じもしました。

霧のかかった九度山

そんなこんなで霧の中を走りつつ、九度山にあるコンビニまでやってきました。ここで一度休憩をとることにします。スポーツドリンクを飲み、おにぎりを食べて補給を済ませます。ここで前輪を確認すると先ほど入れたときと空気圧は変わっていないようでした。やはりパンクしているわけではなさそうです。バルブはガッチリとしまっていたはずなのでいったいなんだったのだろうかと不思議に思いましたが、とりあえずこれで登ることはできそうです。補給を終えて再び走り始めました。

九度山のコンビニでは霧が出ていましたが、高野山を登り始めると先ほどまでの霧がウソだったかのようにカラリと晴れた天気へと変わってくれました。気分よく登ることができます。

さて、高野山なのですが、今まで何度か登ったことはあったもののきちんとタイムを測ったことは一度もありませんでした。そこで今回はタイムを測ってみることにします。関西ヒルクライムTTに書かれているガード下からサイコンのスイッチをぽちっと押して測定を開始しました。

今までの経験上の大雑把なタイムは1時間10分くらいかかっていそうだったので、今回は1時間くらいのタイムになればいいなと考えて登り始めます。ただ、何度か高野山に来た時は登りで疲れてしまうのか、必ずと言っていいほど帰りに脚の攣りや落車などのトラブルが発生していました。今回は高野山を登った後も少し行ってみたいところがあったため、なるべく脚を使わず体力も消耗しないペースの中でタイムを狙ってみようと考えました。

1時間自分が疲れをためず安定して走り続けられるイメージをしながら登っていきます。筋力が弱いため重いギアを使うと疲弊してしまうため、個人的に疲れないケイデンスとして82回転前後を意識してケイデンスを一定にして登って行くことにします。また、ずっとシッティングだとお尻に負担がかかりすぎるので時折ダンシングを入れることも忘れずに登っていきます。

序盤はもう少し速いペースで行けそうだと思いながらも、後半失速してしまわないように抑えながら登っていきます。どうでもいいですがまだ時間は7時台だというにも関わらず結構車が追い抜いていくので、安全に気を付けながら進んでいきます。

中盤を過ぎたあたりにある休憩所までやってきました。ここには信号機がありますが、今回はうまい具合に青のタイミングでやってきたので、予定通り休憩所で停まることなくそのまま走り続けます。

たんたんと登り続け、50分ほどが経過しました。以前ならば休憩所までで体力を使ってしまって後半は疲れた状態で登っていましたが、今回はそんなこともなく前半と同じようなペースで走り続けられていました。我ながら自分の体をうまくコントロールして登れているのではないだろうかと思っていました。

ですが50分を過ぎたあたりで急に小便をしたくなってきてしまいました。この影響でそれまでは気分よく走れていたのが、「速くゴールについてくれ」「あのコーナーを曲がったらゴールが見えてくるんじゃないか」「まだゴールは見えてこなかった。次のコーナーこそそうだろう」といつもの邪念が頭を巡ってくることになってしまいました。我慢できないほどの尿意でもないため、停まることはせずにゴールを目指して脚を動かし続けます。

57分を越えたあたりでどうにも1時間は越えてしまいそうだなと感じました。そしてちょうどそのあたりで心拍数にも変化が見られました。それまで一定ペースで来ていたので心拍数もだいたい同じ値を示していたのですが、急にそれまでよりも20ほど上がってしまうようになってしまいました。そこからは呼吸が乱れてきてしまいます。

1時間乳酸がたまらない安定したペースで走っていたつもりですが、57分しか持たなかったことになります。誤差の範囲のような気もしますが、ちょっと予定が狂ってしましました。が、あとちょっとだったので心拍数は気にせずそのままのペースでゴールを目指します。

結局ゴールの大門前にたどり着いたのはスタートから1時間3分を経過してからでした。狙い通りのタイム出なかったのが残念です。が、走っている時に「こんな道あったかな?」と感じていたのですが、後で知ったところによると新道が開通して道が新しくなっていたようです。そのため、若干距離が短くなっているみたいです。こちらのサイコンでは17kmとなっていたので、700mほど短縮されたのでしょうか。そうすると昔の道路ならば1時間5分くらいになっていたのかなと思いました。

高野山の大門とロードバイク

さて、目標タイムには及びませんでしたが、無事に疲れをためることなく高野山にまで登ってくることができました。大門のトイレを借りてから、少し移動して去年くらいから高野山にもできたというコンビニに行き、補給を行います。おにぎり2つとスポーツドリンクをベンチに座りながら摂取します。

祖母のために高野山に行こうと思ってきたものの、特にどこかに寄っていくわけでもなく、奥の院に向かって心の中で手を合わせつつ高野山を通り抜けていくことにしました。

今まで高野山に登ったら下って帰ることが多かったですが、今回は今まで走ったことの無いところを走ってみようと考えていました。53号線から天川村方面へと行く道を通って見ようと考えていたのです。久々に通ったことの無い道をろくに下調べもせずに走るというちょっとした冒険心にワクワクしながら高野山を後にすることにしました。長くなったので後編に続きます。