骨盤を立てるタイプと寝かせるタイプについて2通りの考え方

いろいろな考え方がある

ロードバイクに乗るときのフォームについて従来は「骨盤を立てて背中をカーブさせるように乗る」のがいいといわれてきました。しかし、最近ではやまめ乗りなどのように「骨盤を寝かせて背中は真っ直ぐに伸ばして乗る」ほうがいいという意見も出てきています。

いったいどちらのほうがいいのか、どちらが正しいのか分からなくなってきてしまいますが、実際に重要なのは「自分がどちらのタイプであるか」を見極めることが大切になってくるのではないかと思います。

このことについて参考になるのが、中野喜文さんというヨーロッパにあるプロツアーチームのサクソティンコフのマッサーとして活躍しており、日本ではRetulフィッティングという自転車のフィッティングも行っている方の意見です。

まず、イメージしやすいように「骨盤を立てて背中を曲げて乗る」タイプとして別府史之選手、「骨盤を寝かせて背中を伸ばして乗る」タイプとしては新城幸也選手がいます。両者とも数少ない本場ヨーロッパで活躍する日本人選手です。基本的には多くの選手が骨盤を立てて背中を曲げて乗っているようですが、新城選手以外にも2012年ツール・ド・フランス総合優勝のウィギンス選手なども骨盤を寝かせて背中を伸ばして乗っています。

別府選手

別府選手

新城選手

新城選手

大雑把に分けると骨盤を立てるタイプと寝かすタイプではハンドルの位置なども変わってくるようです。

骨盤を立てるタイプの人は「ハンドルは近くて高く、ステムは短い」傾向にあり、寝かすタイプの人では「ハンドルは遠くて低い、ステムは長い」傾向があります。これは背中が曲がっているか伸びているかが違うので考えてみれば当たり前と言えますが。

しかし、立てるタイプの人は割とステムの長さが多少変化しても柔軟に対応できますが、寝かすタイプの人ではポジション変化への許容範囲が狭く、ピンポイントで合わせる必要があるようです。

これは中野さんの解説では体の柔軟性の違いだといいます。

つまり、骨盤を立てて乗る人は(体幹の)柔軟性が高いため、ハンドルが近くても遠くても、骨盤の角度は同じままで背骨の湾曲だけで対応できてしまうということらしいです。逆に寝かすタイプの人では対応できる範囲が狭いためピンポイントで合わせるしかないということになります。

ですが、これとは逆の意見としてやまめ乗りの堂城さんなどは「寝かすタイプの人のほうが柔軟性が高い」と言っています。

というのは、この堂城さんの意見では体幹部の柔軟性ではなく股関節の柔軟性に注目していました。股関節の柔軟性が高い人ほど骨盤を寝かしてサドルに座ることができる、そして、その場合には自然と背中は伸びる形になります。そうするとその状態で上半身を無理なく維持するためにはハンドルを手で支える位置は一か所に絞られるとのことです(ステムは長めになる)。

もしも股関節部分に柔軟性が無ければ骨盤を寝かせて乗ること自体ができなくなり、仕方がなく立てて乗るしかなく、そうなると背中を曲げなければいけなくなってしまうという考えのようです。

お二人とも自転車の扱いについてはプロであり、どちらも真実なのでしょう。問題は自分がどちらのタイプなのか見極めてポジションを出していかないといけないということです。できれば立てて乗る方法と寝かせて乗る方法を繰り返し比べる必要があるのでしょうが、その際には長めのステムを用意する必要があるかもしれません。