「質のいいトレーニング」とは何かについて

トレーニングの質

ロードバイクに乗っているものとして「今よりも速く走れるようになりたい」という考えがあります。しかし、趣味としてロードバイクに乗っている場合には必然的に時間的な制約などがあるため、いつでも好きなだけ自転車に乗っているということは不可能です。

そこで、多くの人が考えるのが「効率よくトレーニングを行いたい」ということでしょう。ではいったい効率的なトレーニングというのはどんなものなのでしょうか。

よく言われているのは「科学的なトレーニング方法」というものです。これは単に何時間乗ったとか、どのくらいの距離を乗ったというだけではなく、トレーニングの質と量を数値で把握してその数値をもとにしてトレーニングを行うというものです。つまりかつての感覚的なトレーニングではなく理論的なトレーニング方法ということになります。

この科学的トレーニング方法で数値を測るアイテムとしては心拍計がよく用いられ、最近ではパワー計を使用する人も多くなってきました。パワー計はまだまだ非常に高価なものなのですが、心拍計であれば1万円程度でも購入できるため多くの人が使っています。

これらの器具を用いて自分の体の状態や出している力を数値として測定し、そこから導き出したトレーニング強度を目安に狙った能力を向上させていくことが可能となります。例えば心拍計を用いてトレーニングする場合にLT値を向上させたいのであれば最大心拍数の80%で15分×2本を走るメディオというトレーニングや、耐乳酸能力を高めたいのであれば最大心拍数の90%で3分×3本を走るソリアなどがあります。

この科学的トレーニング方法によってどのくらいの強度で練習すればどの能力が向上するか、あるいは今している自分のトレーニングが目的の強度よりも低い(高い)というのが数値としてわかるため非常に便利です。

しかし、ここまでは今まで知っていたのですが、これらの数値を目安にしてその強度通りに練習したのにもかかわらず狙った能力が向上しないというケースもあるようです。それにはトレーニングの質というのがかかわっているそうです。

ではいったいトレーニングの質の良し悪しというのはどのようなものなのかという問題があります。それは目的の数値をどのように出しているかがかかわっているといいます。

質のいいトレーニングの場合は目的の強度の目安となる数値が自然と出ている時のことで、逆に質の悪いトレーニングとは無理やりその数値を出している時のことだそうです。

例えばパワー計を用いてトレーニングをしていて、目的の数値が300wだったとします。質のいいトレーニングができている時というのはそのメニューをしている時に体が自然と300w以上を出してしまう状態をあえて目的の300wに抑えて走っているということになります。反対に質の悪いトレーニングのときには走っていても300w未満(例えば280w)しか出ないときに無理やり力を振り絞って300wまでパワーをあげて走っているということを意味します。

このように質が悪いケースでは無理にパワーを出すために「パワーが出やすい不自然なペダリング」を行ってしまいやすく、結果としてはパワーは出ているがフォームが乱れておりすぐに披露する体(能力)にしかならないということになります。

私の場合はパワー計を持っておらず主に心拍計を用いてローラー台などでトレーニングをしています。

先ほどのメディオであれば3本ローラーに乗って50×12Tで90~95回転でペダルを回していれば自然と心拍数が目的のところに収まるというのが今までの経験からわかっており比較的質のいいトレーニングになっているかと思います。しかし、ローラー台でソリアを使用とした場合なかなか心拍数が上がらないため、固定ローラーでいつもよりも負荷を高めにして無理に心拍数を上げていました。そのため、ケイデンスは80前後にまで下がってしまい、ペダリングも無理やり踏み込むような形になってしまっています。今から考えるとこれは質の悪いトレーニングにしかなっていなかったのだなと思います。

結局心拍数を目安にソリアを行いたいのであれば実走で心拍の上げやすい坂道などを利用して練習したほうがトレーニングになるということで、無理にローラー台でやれば変な癖がついてしまうだけにしかならなさそうです。

数値を目安にしてトレーニングしているつもりが、いつしかその数値を出すことが目的になってしまっているという逆転現象に陥ってしまいやすいので気を付けておいたほうがいいなと思います。