力を抜いて走ると速く楽に走ることができる

肩の力を抜け

最近生き始めたボクシングジムでいろいろと感じることがあります。それはボクシングもロードバイクも同じ人間が体を使うスポーツであり、ボクシングで指摘されたことがロードバイクにも当てはまる部分もあるということです。

その中の一つに「肩の力を抜け」という言葉がありました。これは結構日常生活でもよく聞くフレーズではないかと思います。

ボクシングでは基本姿勢としてファイティングポーズがあり、この姿勢を基本としてさまざまな種類のパンチを放ちます。

ファイティングポーズ

しかし、始めたばかりの私に対してトレーナーは「もっと、もっと肩の力を抜くんだ」と言ってきます。ですが、私としては力を入れているつもりはなく、「この人はいったい何を言っているんだ、私は力を抜いているぞ」と思っていました。

あまりにも私が分かっていなかったのでしょう、最終的にはトレーナーがファイティングポーズをとってその状態のまま私に「体を触ってみろ」と言ってきました。

すると驚くべきことにきちんとガードをしてグローブはピクリとも動かないのに腕を触るとまるで柳のようにゆらゆらと抵抗なく動くのです。腕はゆすったらゆすった分だけ動きますが、頭やグローブなど重要な部分は全くぶれません。対して私の場合はファイティングポーズを維持しようとするばかりに腕までガチガチに固まった状態で、力が入りっぱなしだったのがよくわかりました。ボクシングを始めて日の浅い人間にそのレベルを求めるのは酷ではないかとも思ってしまいましたが。

さて、この「力を抜く」というのはかなり衝撃でその後日常生活でも意識するようになったのですが、ふとロードバイクに乗っている時にも「肩に力が入っているのではないか」と考えました。

ロードバイクは通常の自転車とは違いかなり前傾姿勢になりハンドルを握っています。実走しながら走って肩に力が入っているかと意識すると、今まで気がつかなかっただけでものすごく力が入ってしまっていた状態だったことに気がつきました。

というのも、体が斜めになった状態を支えるために腕に力を入れてハンドルを握ってしまっていたのです。そのため、肩から腕にかけてがガチガチになってしまっていました。

そこで、ボクシングのトレーナーがやっていたファイティングポーズをイメージして、ハンドルを握った状態で腕や肘を横から触られても抵抗なくブラブラと動かせるように力を抜いて走ってみました。

まず、一番に感じた違いは路面からの衝撃の変化です。肩から腕にかけて力が入っていた状態では地面からの突き上げがハンドルから腕にかけてもろに加わることになります。しかし、力を抜いてハンドルを握っているとブラブラになった腕の部分で衝撃が吸収されるため肩や上半身へは衝撃は伝わることが無くなりました。これは長時間の走行では体力の消耗度合にかかわってくるでしょう。

また、スピードにも変化が出てきます。力が入った状態では上半身や頭の重みを支えるためにハンドルへと力がかかっています。しかし、当然のことながらハンドルに力を加えたところでスピードは速くはなりません。

ですが、腕をブラブラになるように力を抜いた場合、上半身や頭の重みを支える力がペダルを踏む足へとかかることになるのです。見た目的には今までと同じようなフォームで走っていても力を抜いたほうがペダルへとかかる力は逆に増すためスピードもアップするのです。

これはスマートコーチングの安藤さんも次のように言っていたそうなので間違いないのでしょう。(参照

「あとは上体です。肩に力が入っていて、すとんと上半身の重さをペダリングに生かせない。スキーでも同じですが、上体に力が入っているとバーンが荒れていると雪面に圧力がかけられなくなって、飛ばされてしまいます」

さて、このように肩の力を抜いて走るのはボクシングだろうとロードバイクだろうと関係なく有効なのだと思います。しかし、肩の力を抜くためには鍛えておかなければならないところがあります。それは体幹筋です。

ロードバイクのような前傾姿勢で肩の力を抜いた場合、今まで腕で支えていた重さをペダルにかけるのですが、上半身そのものの姿勢維持は脚だけでは支えられません。そこで必要になるのが体幹部分の筋力なのです。胴体が幹のようにガッチリとしていることによって初めて肩から力を抜くことができます。

実際、ロードバイクで肩の力を抜いて走るように意識して走った後はいつもよりも腹筋に疲れを感じました。今までいかに体幹を使っていなかったのかが分かります。もうちょっと鍛えていかなければいけないなと思いました。

何はともあれ、これからは肩の力を十分に抜いてリラックスしながらスピードを出せるようにしていこうと思います。