トレーニング方法について

いろいろなトレーニング法があり、どれがいいとは言えない

ロードバイクでトレーニングを行っている人は主にレースなどで勝利を目的にしている人が多いと思います。普段からトレーニングをレースで勝つために頑張るのですが、最近はこのトレーニングをいかに効率的に行うかが重要とされてきています。

効率的なトレーニングというのはいわば短時間で速く強くなるということにほかなりません。しかし、いったいどうすればいいのか頭を悩ませる人がほとんどだと思います。

そこで、最近になって登場してきているのが機器を使ったトレーニング法です。これは機械で自分の状態を数値化し、その数値を目安にトレーニングのやり方を変えていくというものです。

これは特に近代ツール・ド・フランスに初出場した今中選手が心拍トレーニングを日本に紹介してから爆発的に増えることになりました。この心拍トレーニングは海外ではかなり実績のあるトレーニング方法でかれこれ20年近い歴史があるそうです。

この心拍トレーニングでは走っている最中の自分の心拍数を計測し、この心拍数の過多で負荷の大きさを判断しています。つまり心拍数が高くなるほうが負荷が高く、逆に低い場合には負荷は低いと判断できます。

単に心拍数を目一杯上げてトレーニングすればいいというものではなく、自分の出せる最大心拍数から今の心拍数が何%にあたるかを計算してトレーニングすることが重要になるのです。たとえば最大心拍数に対して50~60%の心拍数であればこれは低度の有酸素運動であるのでダイエットレベルであるとなります。また、ほかには70%であれば持久力の向上ができる負荷のトレーニングであるとされています。

さて、この心拍トレーニングの登場に多くの人が飛びつきました。なぜならトッププロが実際に行っているトレーニングだからです。実際日本でのプロや実業団でも取り入れられて活躍する選手が出てきました。

しかし、この心拍トレーニングにも欠点がありました。それは心拍数の過多だけで負荷を判断するというのはあまりにも不確実だったためです。3~4時間程度の走りならば問題にならないことも多いのですが、もっと長時間走っていると心拍数というのは上がりやすくなってくるのです。心拍数が上がりやすいということはどういうことが問題になるのか。

それは心拍トレーニングの練習の後半では、たとえば持久力を鍛えたくて最大心拍数の70%で走っているにもかかわらず心拍数が上がりすぎてしまい本来必要な負荷が体にかかっていないという欠点があったのです。

パワー計の登場

そこで次に登場したのが、パワー計と呼ばれる機器です。これは最近はいろいろな計測方法のものが出てきているのですが、要は自分がどのくらいのパワー(出力)でペダルを漕いでいるのかを測るというものです。

これは非常に画期的なものでした。なぜなら運動中のパワーを測ることが可能なのは今のところ自転車業界だけだからです。たとえばランニング中などはパワーを測ることなどができないのですが、この自転車のパーツに取り付けて測るパワー計は非常に正確な数値を教えてくれるのです。

このパワーがわかることの何がいいかというと、走りの質を客観的に把握することが可能になるということです。

例として、1時間250Wで走り続けられる人がいるとします。この250Wというのは環境に依存されません。つまり平地でも坂道でも向かい風でも1時間250Wで走り続けることがその人の体にはできるのです。もし、この人が練習の結果300Wで走り続けることができるようになればどうなるでしょうか。これはつまり、どんな環境でもその人は今までよりも50Wも高い出力で走ることができるのでその分より遠くまで行くことができるようになっているということを意味します。

心拍計では平地や坂道、向かい風などのその場でのいろいろな条件で数値が変動してしまいますが、パワー計ならば外部からの影響を受けることなくトレーニングの量を選ぶことができ、その分狙った領域を鍛えることができるというのです。

そこで現在多くの人がこのパワー計を使って、いかに自分のパワーを上げることができるか日々試行錯誤をしているのです。

本当に使いこなせているのかどうか

さて、こんな感じで現状は多くの人がサイコンなどを付けて何らかの数値を見ながらロードバイクに乗っているのですが、本当にこれがいいのかどうかは実際のところ誰にもわかりません。

なぜなら、その測定した数値を見て、自分の長所と短所を把握しどの能力を鍛えるべきかを判断できる人は日本にはほとんどいないからです。実際にこれができている人はトッププロのコーチなど一握りの人間だけでしょう。

また、先日美麻ロードレースというロードバイクのレースが行われました。このレースは一日目にヒルクライムTTを、二日目に160kmの周回レースを行いそのタイムで優勝を争ったのですが、このレースで優勝した福島選手は心拍計やパワー計、さらにはケイデンス計すら使っていないのです(参考:美麻ロードレース)。

この福島選手がどのようにトレーニングを行っているのかというと実走ひたすら漕ぎまくっているらしいです。向かい風の中を踏んで、登りで踏んで、砂砂利で踏んでとひたすら実践で鍛えているからこそ、レースで勝つことができるのだそうです。

まあ、だからといって機械を使うトレーニングがすべていけないというわけではありませんが、あまり数値に一喜一憂するのはばからしいと思います。私は平日はローラー台でハムスターのごとくクルクルとペダルを回していますが、もっと実走に行かないといけないなと思いました。頑張って朝起きて葡萄坂くらいまで行ってみようかと思います。